まあぼの交差点

下北サンデーズ－９話　「アナーキー・イン・ザ・サンデーズ～下北沢をぶっとばせ！」

を見た。

ゆいかが大鳥ゲン主演の連続テレビドラマのヒロインに抜擢されるというのは，既定路線なので，それが前半にくるか後半にくるのかで話の内容がガラッと変わると思っていたが，「前半」だったのでひと安心（笑）

後半から終盤にかけてのハチャメチャな展開は，楽しみながら見ることができた。
細かいカット割りと演技指導なしの「編集」中心のロケ現場で頭にきたゆいかが「見えない未来なんて私にはどうだっていい」，「帰ります」と花嫁衣裳のまま下北を目指して走り出す（遠いよ，オイ，笑）。

大鳥は「帰っていいよ」といったのだが，フォルテッシモの渋谷の号令のもと，ゆいかを追うスタッフたち。
なぜかそこに立ちはだかる，「里中富美男一座」＋プイさんと遺影をもった赤茶げ先生（おつげ，とかいっていた，笑）。

「踊り」で橋を一時封鎖したあと，一座とスタッフの大立ち回り（笑）の間に走り抜けるゆいかを待っていたのは，牛乳おじさんのトラックと眠眠亭配達バイク部隊！

トラックの中では，ギターと牛の声（これがよかった）の伴奏付きで「下北以上」を歌い，眠眠亭のメニューに「牛乳ラーメン」を加えるという条件で，代沢とヒロ太たちは仲直り。

その頃，本多劇場では「極度の上がり症」の亜希子がダウンしてしまったため，あくたがわが「僕たちは所詮本多の器ではなかった」と公演中止を客席に伝えている。

トラックを降りて急ぐゆいかの前にケラリーノと本多一夫が登場するのだが，「僕も手伝おうか」という本多に，「どなたか存じ上げませんが，速くどいてください」。ここも笑えた（「本物」というテロップにも）。その後「下北沢の夜明けだ」ってセリフ棒読みしてたけど……

劇場に入ったゆいかが，「テレビの世界に行く宿命」と千恵美からいわれたことをもとに，「宿命と運命は違う……宿命が車だったら運命はハンドルです，運命の急ハンドルを切って戻ってまいりました」とまあ，こうやってサンデーズ万歳となったのだが，「過去にはとらわれず運命のハンドルを切りつづけなければ……」「はい，座長」といっていた年寄り２人の横で，プイさんと赤茶げ先生が頭に怪しげなものをつけ，ハンドルを持っていたのに大笑い。

最後はみんな来ていた。ゆいかの父（差し入れバナナ，母は山に入ったらしい，笑），サンボの母（差し入れ鯛），キャンディの社長（差し入れコンビニ袋），千葉大２人に率いられたご一行，牛乳おじさんも眠眠亭も大鳥も……渋谷はいなかったなぁ（笑）

ゆいかが「サンデーズのミューズだ」ったということで，「おしまい」となるのだが，今回も，前半余分な場面があったなあ。

亜希子が土下座する前後の場面のこと。

「ヌーベル演劇祭」に招待されるためにオフィスフォルテッシモが裏で動いていた，そしてやむなく，ゆいかを「ドラマ」の世界に譲ることに……てな感じで「裏」を知る亜希子にすべてを引き受けさせるかのような，涙の亜希子とあくたがわの秘密の話し合い……

これって，１回で処理できるテーマではないでしょ！！　もちろん，今回も最後まで全く触れられずじまい。

ドラマのヒロインはいいチャンスなのだから，心と裏腹に劇団員が送り出す，程度でじゅうぶんだったのではないか。
千恵美がやったのがそれで，こちらは，最後の「運命と宿命」でうまく決着がついているのだし……。

「牧場（？）」での代沢の話も，行き先が決まってしまったゆいかではなく，迷うゆいか相手の方が説得力があったような気もするし……

最後まで，おもしろくない部分とおもしろい部分が混在する不思議なドラマだった。

結構重いテーマをあまり伏線もなくドカーンとぶち上げておいて，安易に解決してしまうという姿勢が見られたのが「つまらなさ」の原因だったような気がする。
八神の自殺も，サンボたちが売れてきたことと劇団活動の関係も，実は何も片付いていない。
今回のゆいか「脱走」の件にしても，前半の勢いからすると，「契約」を盾に今後渋谷がサンデーズをつぶすことだってできそうだし……（ってマネージメントの契約はいったいどうなったんだ，笑）
牛乳おじさんにしても，ヒロ太たちと仲直りしたのはいいが，どうして「伝説」が生まれたのかなどは結局「おきっぱなし」だった（笑）

おもしろい部分がもうちょっと少なければ，とっとと見るのも書くのも辞められていたのに……（笑）


今週の眠眠亭
新メニュー「クロマニヨンつけ麺」が怖そうだった。クロマニヨンって，動いていたし，稽古場にまで進出していた（笑）


先週の８話　「サルたちのシモキタザワ」の記事は，→こちらからどうぞ。

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