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環境・平和・山・世相 コジローのあれこれ風信帖

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2007年12月18日
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カテゴリ:環境

 今日18日、バリ会議の顛末についての日本政府代表団の「概要と評価」ならびに鴨下環境大臣のコメントが、環境省からプレスリリースされた。

 概要の方はまあいいとして、問題は「評価」だ。政府代表団は今回バリで日本が果たした役割について、「今回の決定は、日本提案に概ね沿ったものとなっており、日本が具体的な形でバリ・ロードマップの策定に貢献できた」と高い評価を与えている。ん~、やっぱりなあ・・・という印象だ。

 採択されたバリ・ロードマップは、EUや水没の危機に瀕する島嶼国、そしてすべての環境NGOが、IPCCが示す科学的知見を元に口をそろえて主張した、先進国についての温室効果ガス削減の数値目標を、最終的に合意文書から削除、つまりは肝心要の問題を先送りしてとりあえず、すべての国が参加する枠組みで合意し、決着した。

 前にも書いたが、こうした決着自体は現状ではやむを得なかったとコジローは思うし、米国も中国やインドも含んだ形で、これから2年間の交渉のスタートが切れることをそれなりに評価したいとも思う。だが、結果としてこのような着地点、つまり日本政府が当初(10月にボゴールで開かれた準備会合からだ)より主張していたカタチ通りの結末になったからといって、自画自賛するのはいかがなものか。日本の態度如何では、もっと地球温暖化阻止に実効のある違う決着もあり得たのではないのか。

 経過を少し紹介しておこう。京都議定書を葬り去るような日本の発言が大ブーイングを浴び、化石賞1~3位を独占受賞したことはすでに書いた。以後、日本は態度を改めたし(1トラック方式の撤回)、注目の米国も公式の場ではほとんど発言しなかったため、二度の書き直しを経て提出された第三次決議案の討議は比較的順調に進み、そのまま翌日の最終日にはこの延長線上で合意が成立するかのムードが支配し始めた13日午後11時、それまで沈黙していた米国が突然対案を提起する。

 で、その対案たるや、要約すれば、(1)温室効果ガスの削減努力義務は先進国も途上国も同じ扱い(注:ここでいう先進国は要するに京都議定書から脱走した米国一国のこと、他の先進国は別途京都議定書で定められる削減義務を負う可能性が高い)、 (2)削減方法は各国が勝手に決めればいい、 (3)この削減方法には法的拘束力もなければ効果の検証もしない、 …という、気候変動枠組条約15年の歴史も暑いバリ2週間の交渉で流した汗もすべて無にするトンでもない代物。これを最終日前日のそろそろ眠気も襲う深夜に提出したのだ。要するに「COP13つぶし」のテロであり、それもブッシュらしい汚く卑怯な手口ではある。

 もちろん、合意を目前にしていた会場からは総スカンを食らった。パプアニューギニアの代表は怒りをあらわに「会議をリードする気がないならどうか出て行ってください」と発言したと伝えられている。米国の孤立は極まった。が、信じられないことだが、この米国のバリ会議テロと称すべきトンデモ提案を「真剣に検討すべきだ」と発言したのが日本だった。おかげでテロリスト米国は議場からつまみ出されずに済んだ。

 米誌タイムの15日電子版はこう書く、「大小の発展途上国が米国を叱責しただけでなく、過去2週間にわたり米国に同調してきた同盟国であるオーストラリア、ロシア、カナダのどこも、米国弁護に立ち上がらなかった、日本の混乱した声明を例外として…

 会期を1日延長してなんとか採択したご覧のバリロードマップは、この会議テロに巻き込まれた大混乱の「成れの果て」なのだ。かくして道理もクソもない米国提案を引っ込めさせる取引材料として、IPCCの科学的知見に基づく数値目標は消えた。もちろん、あの救いがたいブッシュが相手だから断定はできないのだけれど、もし日本が他のすべての国々とともに米国を冷静に諭していたなら、違う結果は確かにあり得たのだ。

 鴨下さんは談話で、来年のG8洞爺湖サミットでも、「バリ・ロードマップを着実に実施し、国際交渉の促進に積極的な役割を果たしたい」と発言しておられる。その意気や良し。我々市民運動も大いに応援したいと思う。だが、「国際交渉の促進」イコール「米国追随」というのでは、そのリーダーシップまことに心許ない限りではないか。

 洞爺湖サミットは来年7月7~9日、つまりあのブッシュがまだ米国大統領としてやって来るのだ。その米国に注文をつけることこそが世界を破滅から救うリーダーシップという局面も大いにありうることを、鴨下さん福田さんには、ぜひ理解しておいてもらいたい、と思うのだが…

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最終更新日  2007年12月19日 10時40分14秒
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