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環境・平和・山・世相 コジローのあれこれ風信帖

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2008年03月19日
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テーマ:戦争反対(1189)
カテゴリ:平和

 明日20日、米国などによるイラク侵略開始から5年が経過する。その惨憺たる現状は周知の通りだ。米軍の死者はまもなく4000人に手が届き、イラク人のそれはWTOの控えめな勘定ですら15万人、英国の調査会社の調べでは実に100万人を超える。これだけの犠牲の代償に得られたのはカオスのみ。狂気の愚行と言うしかない。

 その狂気を導いたものは何か。メディアそして識者なる人々は様々に論評する。9.11テロを契機とする国家的集団ヒステリー、キリスト教原理主義、ソ連型社会主義体制の崩壊以来の西欧価値観の奢り、それにも起因する唯一となった超大国のユニラテラリズム(単独行動主義)...

 侵略への公式の理由とされたのは、イラクによる大量破壊兵器隠匿やアルカイダへの援助というありそうもない作り話だったが、それを開戦侵略にまで持って行った当事者の思想構造に、こうした問題があったことは確かだろう。だが、この説明には肝心の動機が抜けている。イラクにもし石油がなければこの戦争は起こっていないということだ。この焦点に触れない解釈は何の意味もない。

 帝国主義の力の源泉は原材料支配にあり、また、であればこそ世界支配つまりは侵略戦争の動機もそれにあることは、もう100年も前に解き明かされ、それ以後の歴史で正しさが検証された不動の経済学的知見だ。大量破壊兵器もアルカイダも最初からでっち上げだった。アメリカ帝国主義としては、イラクの原油を掌握する戦争の看板に使えるなら、アルコール依存症のイラク人の嘘っぱちであろうが、クエート外交官の娘の涙ながらの安っぽい三文芝居であろうが、ソマリアの怪文書であろうが、なんだってよかったのだ。

 つぶさに調べれば証明できることだろうと思うが、帝国主義に限らず、歴史上、すべての戦争には経済的動機があったはずだ。看板はともかく、正義の実現や人権の擁護などを実際の目的として戦われた戦争などどこにもない。そんな腹の足しにならんもののために、面倒な戦争などできるものか。

 ただ、いま、当のアメリカにとってやっかいなことは、これだけ強引にコトを推し進めたにもかかわらず、肝心の原油の掌握という戦争目的がなお達成できていないことだ。現在の国際関係のルールでは、さすがの帝国主義も、イラクの油田を直接軍事占領して自らが原油を生産するなんて無茶苦茶まではできない(本当はそうしたいのだが…)。そこで、操り人形のようなイラク人政権を立て、表向きは外交交渉で権利を得たことにして…という筋書きだったのだが、イラクは蜂の巣をつついたような騒ぎになって、そうは問屋が卸さなかったというのがこれまでの経過だ。

 そうこうするうちに、米兵の死者は増えるわ、開戦理由のウソはばれるわで国内外に厭戦気分が広がってブッシュの支持は暴落、あげくに戦費が莫大に膨れあがって本国の経済が傾き、ドル帝国の崩壊の悪夢すらちらつき始め、撤退を模索せざるを得ないところに追い詰められたというのが現時点の状況といえる。つまり、イラク侵略は米国にとっても収支勘定の合わない投資になったわけだ。

 NHKの衛星放送は今週、この戦争を巡って制作された米国のドキュメンタリー番組を連続して放映している。1回目の一昨夜は開戦直後最初にイラクに進駐した海兵隊フォックス中隊に属した4人の若者たちのその後、2回目の昨夜は軍や政権上層部の右往左往ぶりのレポートだった。

 祖国の正義を信じた若者たちを例外なく襲うPTSD(心的外傷・トラウマ)。だれもが普通の社会になじめず、ある者は戦場にしか居場所を見つけられなくて硝煙の漂うイラクに戻り、またある者は恋人を殺してしまう。一方、若者たちをこのような苦悩に追い込んだ戦争指導者たちの、驚くほどの無知、呆れるほかない無邪気な希望的観測、独りよがりの浅はかな世界観、そして滑稽さを通り越して哀れなほどのブッシュの無能… ん~、このような番組が戦争当事者の国で作られる...というのも、またアメリカという国ではあるのだが…

 道義的にはもちろん、経済的にもイラク戦争はもう終わりだ。米国は直ちにイラクから兵を引き、犠牲者に戦争犯罪をわびて戦後賠償に取り組め。 

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最終更新日  2008年03月19日 10時24分54秒
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