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カテゴリ:環境保全型農業
これまた書きそびれて報告が遅くなったが、コジローにとっては結構大きな出来事。コジローが事務局長を務める那賀地方有機農業推進協議会は3日、有機農業への新規参入者を増やすことを目的に実施する技術研修のスタートを切った。 一昨年12月に成立した画期的な「有機農業の推進に関する法律」に基づく国の地域指定をうけて、和歌山県内の有機農業関係者らは行政機関やJAの支援協力のもとに、紀ノ川中流域に当たる和歌山県那賀地方を拠点として、5年計画で有機農業のモデルタウンづくり事業を行おうとしている。先日の先進地視察もこの事業の一環だったわけだが、同事業の最大の眼目は、なんといっても有機農業に取り組む人を増やすことだ。肝心の有機農業者がいなくては、モデルタウンどころではない。 というわけで、同事業の実施主体である那賀推進協議会は、協議会の構成メンバーで指導援助が可能な、タマネギ露地栽培、果菜(トマトやナス)施設栽培、葉物野菜、果樹(キーウイフルーツ)の4品目に絞って、長期の有機栽培技術の研修を行うことになり、マスコミ等を通じて受講生を募集、3日はその最初の顔合わせだったわけだ。 応募があった受講生は総勢54人。平日の昼間に那賀県事務所で開かれたこの集まりに、そのうちの47人が出席する熱心さだった。応募はせいぜい20人まで、と踏んでいた主催者側にはうれしい誤算で、有機農業への関心の高さが示された恰好だ。年齢は20代から70代まで。プロの農家もおられれば、これから就農を志す青年、家庭菜園を楽しむ方、定年帰農にいそしむ方も、これからそれを目指す方もおられる。 この日は、簡単なセレモニーの後、まずコジローが「有機農業…その概念と制度」について簡単に講演、その後、有機農家が、施設栽培のトマトを例に有機栽培の実際を紹介し、さらにこれから技術研修の「師匠」になる4農家が、自ら取り組む有機農業の実際やそれにかける思いを語った。これを受けて、受講生は栽培したい品目ごと「師匠」の元に集まって今後の研修日程を調整するとともに、それぞれのグループごと連絡係としての世話役を選んで散会した。 「師匠」を囲んで最初の打ち合わせ 研修の成否は今後に係っているが、とりあえずモデルタウンづくりに向け、最も重要な最初の一歩は踏み出せたと思っている。有機農業は単なる栽培技術ではなく、それに取り組む人間の思想、生き方、世界観であり、そうした人間を取り巻く地域社会に新たな関係性を建設する可能性を秘めた取り組みであるからだ。たとえ、受講生のうち有機農業のプロになる人はそう多くなくとも、54人の受講生と「師匠」との間で始まる新たな人間的交流が、何か新しい変化を創り出すに違いないと期待している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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