618540 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

環境・平和・山・世相 コジローのあれこれ風信帖

環境・平和・山・世相 コジローのあれこれ風信帖

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

コジネンコ

コジネンコ

フリーページ

カレンダー

お気に入りブログ

シロヤシオの瓢ヶ岳… kiki2406さん

マスメディアとネッ… shchan_3さん

ぼたんの花 ぼたんの花さん
福山医療生協九条の会 や~っぴょんさん
ゆうこと5にゃんの… ゆうこ8838さん
2008年11月12日
XML
カテゴリ:環境

 仕事がぎっしり立て込み、なかなか落ち着いてブログを更新する時間が取れない。…といえども、これはどうしても見逃せないニュースだ。昨日11日、日本の07年度の温室効果ガス排出量(速報値)が90年度以降最悪となったことが分かった。

 同年度の排出量は二酸化炭素(CO2)換算で13億7100万トンと90年比8.7%の増。京都議定書で日本が国際公約した削減目標は同年比マイナス6%だから、それを約14.7%上回ったことになる。京都議定書では今年度から12年度まで5年間の平均排出量で目標を達成する約束だが、前途は非常に非常に厳しい。

 このように排出量が急増した原因は、第一義的には原子力発電の不調だ。昨年7月の新潟県中越沖地震以降、世界最大の東京電力柏崎刈羽原発が運転を停止しているのを始め、原発の稼働率はこのところ60%前後に低迷しており、これで不足する電源を火力発電、それも二酸化炭素排出係数が最も高い石炭火力に頼らざるを得なかったことが、排出量急増に繋がった。政府が描く原発中心の温暖化対策は早くも破綻したわけだ。

 政府の京都議定書目標達成計画には専門家や環境NGOから様々な問題点が指摘されているが、なかでも原発の稼働率をほとんど実現したことのない80%以上に設定して日本の総電力供給のほぼ5割を担わせるなどという見通しは、まったく現実性のない希望的観測というか、もっと厳しく率直に言わせてもらえば妄想か不真面目な数字あわせと評するしかない代物だ。

 原発は地震といった自然災害だけでなく、技術的な不備や教育の不足といった人的ミスによっても、さらにはそれらミスの隠蔽やデータねつ造といった犯罪的な背信行為でも、とにかく呆れるくらいしょっちゅう止まる。原発自体の危険性や核廃棄物の処理など、指摘される数多くの未解決問題の評価には異論があるとしても、こんな頼りないシステムに、人類の存亡がかかる温室効果ガス削減の切り札としての役割を託せるわけはない。

 ドイツは、こうした問題に加えて原発の発電コストが非常に高いこと、発電原料であるウラン確保が将来的に不安定で価格リスクも大きいこと、そして万一のテロ攻撃に対し非常に脆弱でこれを防ごうとすればさらに莫大なコストが必要になること等から、現実的選択として脱原発の道を選択した。フツーのアタマで冷静に考えれば答えはそうなる。

 斉藤鉄夫環境相は「原発停止の影響を除いても排出量は増加している。議定書の約束は達成しなければならない。対策強化を急ぎたい」と語ったという。議定書の公約達成へ対策を強化というが、今回完全に破綻した原発頼りの目標達成計画は見直されるのだろうか。原発の温室効果ガス削減ポテンシャルといった幻想に早く見切りをつけ、再生可能エネルギーへのエネルギーシフトへと大胆に舵を切らない限り、京都議定書の国際公約は空手形に終わり、日本は世界から批判を浴びることになるだろう。時間はそうない。過去の誤りに固執せず、フツーのアタマで考えて欲しいのだ。

eco88_31_orange[1].gif ←ランキングに参加してます、ワンクリックでご協力を






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008年11月13日 08時10分23秒
コメント(2) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.