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環境・平和・山・世相 コジローのあれこれ風信帖

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2009年06月29日
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カテゴリ:環境
   米下院は26日、米国の中長期の温室効果ガス削減目標を定め、またそれを達成するために排出量取引制度を導入することなどを盛り込んだ温暖化対策法を賛成多数で可決した。グリーンニューディールによる米国経済の再建と地球温暖化対策をめぐる国際交渉でのリーダーシップを目指すオバマ大統領は、最初の関門を通過したことになる。上院での採択には困難が予想され前途は楽観を許さないが、世界最大の温室効果ガス排出国が、とにもかくにもホンキで地球温暖化に取り組む姿勢を鮮明にしたことは朗報に違いない。

 同法案の採決結果は賛成219に対し反対212の僅差。オバマが所属する民主党下院議員のうち44人が造反して反対にまわった一方、温暖化対策に消極的な共和党から5人が賛成に回った結果だという。共和党が一枚岩で反対していれば、賛成214反対217で否決されていたことになる。自ら受話器を取って態度のはっきりしない議員を説得したというオバマにしてみれば、まさに薄氷を踏むような思いだったろう。上院を通過するには定数100のうち60の賛成が必要という。民主党の上院議員は59人。一人の造反も許されない。オバマにはこれからが正念場だ。

 それはともかく、この法案が採用した米国の2020年の温室効果ガス削減目標は、2005年比で20%減(うち産業界で17%)。これはオバマがグリーンニューディールをぶち上げたときに示した同年比14%減よりはるかに大きい。とはいえ、米国はブッシュ時代に日本以上に野放図に排出量を増やしており、オバマの公約からさらに踏み込んだこの法案の目標でも世界標準の1990年比でいえば6%減に過ぎない。つまり、コジローらが批判する日本政府が示した中期目標8%減にすら及ばないのだ。これが評価に値するのか…という問題は、たしかにある。

 だが、原油メジャーが実質的に雇用する御用学者が唱える懐疑論も動員し、そんなもん知ったことかいな…と世界の温暖化対策をせせら笑い背を向けてきたブッシュ時代からは雲泥の差だ。米国ではまだこれからしばらく、両者のせめぎ合いが続くに違いない。しかし、オバマがよほどの心変わりをしない限り、紆余曲折や妥協や時間のロスはあっても、地球温暖化対策についての世界への米国のコミットという点に関する限り、前進が切り開かれてゆくダイナミズムは揺るがないだろう。

 一方、同じ26日、英国政府は今年12月にコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)での世界の合意に向けた主張を発表。コペンハーゲン合意の最も重要な内容として、地球の平均気温の上昇を工業化(つまり英国発祥の産業革命だ)以前から2度以内に抑制することをあげ、そのためこれから10年以内に温暖化ガスの排出トレンドを増勢から減勢に逆転し2050年には現状から半減、先進国は少なくとも80%削減するについて、法的拘束力のある合意に達すべきであるとした。また同じ日、ブラウン首相は温暖化対策に途上国を巻き込むため、途上国の気候変動対策に先進国全体で2020年まで毎年1000億ドル(約9兆5000億円)の拠出を行うことを提案した。

 実は、ブラウン首相の足下は非常に危うい。内閣支持率は1930年に同種の調査を開始して以来空前の記録という急落。政党支持率でもブラウン首相の労働党は野党保守党に大差をつけられている。いま選挙をすれば、ブレア以来の労働党政権は崩壊して保守党かないしは同党と自由民主党などの連立に政権が移る可能性が高い。だが、たとえそうなっても地球温暖化対策に関する限り、英国のスタンスは大きくは変わらないだろう。それはすでに政党の違いを超えた共通の国家目標として共有されているからだ。

 米国や英国の政権の行いを手放しで評価するほど楽天的ではない。それが国家の意思である限り、地球温暖化対策であっても当然、国益への配慮が働いていることは疑いないのであって、そうした意図をリアルに見ることも必要だろう。だが、少なくともこの両国政府には政治の意志がはっきりと見て取れる。そこに「わが」日本との決定的な差があるのだ。自らの意志をすら持たないものが、口先だけで国際交渉のリーダーシップなど取れるものではない。

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最終更新日  2009年06月29日 23時29分21秒
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