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環境・平和・山・世相 コジローのあれこれ風信帖

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2012年09月07日
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テーマ:ニュース(99487)
カテゴリ:環境

 9月7日金曜日、快晴、外気温25度。さすがに朝夕は日差しもいくぶんやさしくなり、その分だけ涼しくもなって、散歩もジョギングも快適だ。だが、地球レベルでは深刻な異変が静かに進んでいる。

 宇宙航空研究開発機構・・・と正式名称で紹介するより、あの衛星「ハヤブサ」を飛ばしたJAXAといった方が分かりやすいだろうが、そのJAXAが8月25日、今年の北極海の海氷が観測史上最も小さい面積を記録したことを確認した。第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)のマイクロ波放射計が観測した海氷データを解析した結果、北極圏の海氷面積は、衛星観測史上最小だった2007年(425万平方km)を下回り、8月24日現在で421万平方kmまで縮小したという。日本の面積が約37万平方kmだから、この時点で、ざっとその12倍くらいの広さだったわけだが、いまはさらに60万平方km減って10倍を切った。

無題.png

 北極圏では例年、9月中旬から下旬にかけて海氷面積が最小になり、10月からまた拡大し始めて3月初旬頃に最大になるサイクルを繰り返す。そのサイクルを表現したのがJAXAのサイトに掲載されている上の図で、これは毎日、「しずく」が観測した最新データを受けてリアルタイムで更新されており、いつでも同サイトの北極圏海氷モニターから確認できる。ここに掲載したのは昨日9月6日のデータだが、ご覧の通り、赤い線で表現されている今年の海氷面積の推移は、過去最少だった2007年(オレンジ色の線)を遙かに下回るラインで、さらに谷底へと落ち続けていることが分かるだろう。北極圏の海氷面積が400万平方kmを割ったのは人類史上初だが、今年はもしかすると300万平方kmすら割り込みかねない勢いだ。

  さらに、実際の北極海氷の姿は、同じJAXAの別のページから、やはりリアルタイムで確認できる。昨日の状況が下の左側の図だが、右側の過去最少だった2007年9月24日の状況と較べても明らかに痩せていることが確認できる。今年、最も減少速度が速かったときは、1日で10万平方kmの海氷が消えたという。北海道だけではこの面積に届かず、ざくっと言えばさらに四国を加えた面積にほぼ等しい。それだけの広さの海氷が連日、日ごとに消えていったのだ。

120906.png070924.png

 さて、このようは北極海氷の急速な減少は何をもたらすか。白い北極海氷や南極の氷床は、地球を暖める可視光線の大半を反射することで地球のクーラーとなっている。ところが北極の場合、海氷が溶けて黒い海面が露出すれば、クーラーの役割を果たせないだけでなく、これまでとは逆に可視光線の大半を吸収することで熱源になる恐れがある。あまり愉快な連想にならない話だが、地球球温暖化で海氷が減少して海面が露出し、それがさらに地球温暖化を加速する悪循環、いわゆる「ポジティブフィードバック」が起きる蓋然性はかなり高い。

 こうした地球規模の環境変化の影響はすでに現れており、この夏、世界で頻発した異常気象の大きな原因のひとつと考えられている偏西風の大蛇行は、北極海氷の減少に起因する可能性が高い。ナショナルジオグラフィック日本版9月号の特集はズバリ「異常気象」だ。gooのサイトで同誌による米国の熱波についてのレポートが紹介されているので、ぜひご一読いただきたい。TPPなどを通じ日本への農産物輸出に血眼になっている米国だが、いつまで食料輸出国であり続けることが出来るのだろう。農業ほど気候に依存する産業はない。その足下は実は非常にもろいのだ。

 世界はいま深刻な危機に直面し、真っ黒な奈落に向かって日々下り坂を転がり落ちている。北極海氷の急激な消滅は警鐘を激しく乱打しているのだが、この現象から海底資源探査や北極航路開設に絡む利権にソロバンをはじく連中には聞こえない。人類とはなんと度し難い生物なのだろう。ところで、あまり報道されないが、バンコクでは6日まで、年末にドーハで開かれる気候変動枠組み条約第18回締約国会議に向けた準備会合が開かれていた。気候ネットの平田仁子さんが現地から詳細な通信を送ってくださっているので、それを参照されたいが、困難な中でも地道な努力は続いている。希望を失わないようにしたい。まずは関心を持ち続けることからだ。

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最終更新日  2012年09月07日 12時09分57秒
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