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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2007年10月07日
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カテゴリ:アート
「春信、歌麿、北斎、広重-ミネアポリス美術館秘蔵コレクシ
ョンより-」と副題のついた展覧会。前後期に渡って245点の
作品が公開される。

この副題の通り、春信、歌麿、北斎、広重らの作品を十二分に
味わうことのできる展覧会だった。

特に鈴木春信の浮世絵が18点あり(後期も18点)、彼の作品
をこれほど多く同時に眺めることができたのは、はじめてである。

独特の春信ワールドの登場人物たちだ。ちょこんとすまし顔の
女性たち。それぞれの着物の摺りの発色も素晴らしいが、空摺
りの紋様も美しい。「隅田川舟遊び」の背景の波のようすも空摺りで
うまく表現されている。

三味線を弾く男女.jpg

「三味線を弾く男女」。河辺で男女が寄り添いながら、男が棹を
持ち、女がバチを持って三味線をはじく。のどかで平和な光景。

難波屋おきた.jpg

歌麿は、前期8点、後期8点。今回は「難波屋おきた」を見る
ことができて嬉しい。歌麿の描く女性はやはり美しい。茶を運
ぶ清楚なおきただが、襟から胸元の色気が何ともいえない。当
時の絶対領域といえるかも。

こはだ小平次.jpg

そして、北斎は前後期あわせて57点。とにかく前期だけでも
見応え充分。恐ろしいのは、百物語の「こはだ小平二」。蚊帳の
緑が鮮やかで、その上に髑髏の小平二が顔を覗かせる。ガイコツに
張りつく肉や髪の毛がリアル。

そのほか、富嶽三十六景や諸国滝廻り、諸国名橋奇覧などの秀逸な
作品も多数。「飛越の堺つりはし」は、荷を背負い吊橋を渡る二
人の人物。いったいこの世の光景なのかと思える不思議な雰囲気。

雪中富士川の景.jpg

広重も前後期併せて58点。お気に入りは、縦2枚続きの「雪
中富士川の景」。真っ白な雪山と渓谷の澄んだように青い川との
取り合わせが心に沁みる。

もう一枚、団扇絵の「童遊び見立てほふづき」。ほおずきが擬人化
され、子どもが遊ぶように手に手を取っている。可愛らしく、
思わず笑顔になる。

そのほか、歌舞伎堂艶鏡の大首絵、「二代中村野塩の桜丸」も素
晴らしい。桜の着物の赤と黒い髪の毛と刀の柄が強烈な印象を
もたらす。

犬坂毛乃.jpg

歌川国芳の「義勇八犬傳 犬坂毛乃」は、色鮮やかな着物の彩色
に目を見張る。背景は広重の月に雁だと笑ってしまう。

とにかく、保存状態が良好で発色の美しさに圧倒される。
とらさんのブログを拝見すると一目瞭然である。

前期は28日まで。後期も全作、入れ替わり必見である。
入館料300円でこれだけ楽しめるのは、嬉しい限り。





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最終更新日  2007年10月16日 19時47分43秒
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