ブラームス「バッハのシャコンヌ(左手のための)」を弾いてみた
ここのところ、何をそんなにシャコンヌにこだわっているのか、と思われても仕方がないほど、日記の各所にバッハの「シャコンヌ」の話題がちりばめられている。しかも、バッハ=小林版の「シャコンヌ」だけでは飽きたらず、今度はブラームスが編曲した「バッハのシャコンヌ(左手のための)」を弾くべく、せっせと楽譜を買いに出かける羽目に。今までの日記とそのコメントを読んでいる人ならば気づいていると思うが、この左手のためのシャコンヌも、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調」BWV.1004のピアノ編曲版そのものであり、ブラームスが他の作曲家の作品を編曲した「5つの練習曲」のなかの1曲として名を連ねている。しかも、バッハ=小林版のシャコンヌ(ダイジェスト版)とは異なり、原曲をそのままピアノ版に編曲している。そして、「左手のための」の注釈があるとおり、この曲に右手は必要ない。つまり、左手だけで延々と弾くのである。早速、このシャコンヌが収録されている全音の「ブラームスピアノ曲集2」を買ってきた楽譜を改めてめくってみると、「うわっ、本当に左手だけでこれを全部弾くの?」私は、思わずそのまま譜面を閉じる。「また今度にしよう」、しかし、この曲を今弾かないでどうする?・・・と、まるで呪われたかごとく、練習中に右手の親指と小指がひび割れて血がにじみ、再びガーゼを巻く羽目に。こうなったら、もう左手だけで練習するしかない。そうして、必然的に「左手のためのシャコンヌ」の譜面を開いたのであった。ちなみにブラームスはこの左手のためのシャコンヌを、その当時、右手を痛めていたクララ・シューマンのために書いたという。右手を痛めて悲しみにくれていたクララを癒すための作品なのだろう。右手を腱鞘炎等で痛めた時など、このような左手のみの練習曲等で左手の鍛錬を積むのも良さそうだ。というわけで、早速「シャコンヌ」を弾き始める。譜読みは予想していたよりは幾分楽である。というのも、左手だけに集中すれば良いから。しかし、各所に現れる驚異的な広音域の和音に、左手が泣かされることもしばしば。これさえなければ、素直に楽しめるのだが、まぁ左手だけでそれなりの音楽を奏でるならば、多少広い音域が登場するのは仕方あるまい。決して派手さもなく、音に厚みがある訳ではないのだが、なにか、こう淡々とした流れが逆にヴァイオリン独奏に近いものを感じるのは私だけだろうか。おまけに左手の鍛錬にもなるし、もう少し練習を続けてみてもいいのではないか、と思えてきた。左手を鍛えたいシャコンヌ好きにオススメの1曲である、うむ、間違いない(!?)。また、のだめ11巻の影響で、ついついリストの楽譜も買ってしまったが、その話はまた別の機会にでも・・・----------------------------------------------------本日のピアノ練習メモ(定例)●ハノン #11-20,#39,#41#11-20(各指の独立訓練)、まずは指慣らし。#39全長短調の4オクターブ音階を1回ずつ弾く(リピート有り)#41アルペジオ、(ハ長調,イ短調,ヘ長調,ニ短調,変ロ長調,ト短調,変ホ長調,ハ短調,変イ長調,ヘ短調,変ニ長調,変ロ短調,変ト長調,変ホ短調,ロ長調,嬰ト短調,ホ長調,嬰ハ短調)●ハーモニックスケールハ長調3度並進行/反進行●ブラームス51練習 #9ab,#05,#07,07ab#09ab:各指を広げる運動、2回往復#07ab:3度を4-1,5-1指で弾く運動、2回往復。#08a:アルペジオ練習の準備、運指に気をつけて粒良く弾くこと。●ツェルニー30番 28#28:冒頭の注釈を参考にしながら、手首をリラックスさせて和音の同音連打に取り組むこと。●クラーマー=ビューロー60練習 #04,#06#04:5~11小節を繰り返し練習。及びテンポ四分音符100で通し練習。ほんの少しずつだが進歩が見られるような?#06:昨日発見した音間違いに注意しながらゆっくり練習。まだ各所でミスタッチが目立つ。●バッハインヴェンション #01~#15#01~#13はノーミスで弾ければ1回ずつ。ミスした場合は再復習。#14:まとめ段階。左手の32分音符まだ慌て気味なところがあるので注意→まだ今日も変わらず#15:まとめ段階。●ドビュッシー ベルガマスク組曲から「プレリュード」「メヌエット」「月の光」プレリュード、おさらい(通し練習1回)メヌエット、通し練習1回。18~21小節の和音が美しくない。もっと丁寧に、そしてミスタッチなきそうに。月の光、通し練習1回。43~46小節、左手がスムーズに流れないので部分練習。●シベリウス 「樅の木」「ピヒラヤの花咲く時」樅の木:おさらいで通して1回ピヒラヤの花咲く時:まとめ段階、通して2回。●カスキ 「秋の朝」通し練習数回。29~32小節のつまずき度は減ってきたが、和音を綺麗につかめないことが多々あるため、テンポをゆっくり目にして29~32小節が安心して弾ける速度で練習。●ブラームス 5つの練習曲からバッハ「シャコンヌ」(左手のための)小林編曲版に続き、左手だけで弾くシャコンヌに挑戦。詳細は上記にてどうぞ。●ブラームス 2つのラプソディOp.79-No.2昔弾いたこの曲、楽譜を買い直したので記念に弾いてみたのだが、メタメタ・・・いつか練習しなおそう。指負傷につき、本日のショパンはおやすみ。