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癌食の記録

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February 13, 2014
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カテゴリ:癌ぽちの気持ち
生徒さんから

ベンジャミン・ザンダー「音楽と情熱」

のプレゼンテーションを
紹介されました。
非常に感激したので、彼について何か知らないかという話です。

私もネットで拝見しましたが
確かに素晴らしいプレゼンで
私も大変に印象を強く持ちました。

でもその「素晴らしい」と言う感じが
私の場合音楽そのものより
そのプレゼンのテクニック、
舞台構成に感銘を受けていることに気づき
混沌とした印象を整理したくて
覚書として、書いています。

ベンジャミン・ザンダーさんは1939年、英国生まれの指揮者です。
79年、ボストン・フィルハーモニック・オーケストラを立ち上げ、
20年以上指揮者として活躍されました。
このボストン・フィルハーモニック管弦楽団というのは
いわゆる有名な小澤征爾さんも関わった
「ボストン交響楽団」とは似て非なるもので
セミプロのオーケストラだそうです。
だから私なんか、ただでさえ指揮者やオーケストラとは
お仕事の縁がないので存じ上げませんでした。

指揮者と言うお仕事は、ザンダーさんがおっしゃるように
自分で音を出しているのではなく
「音を楽器奏者から《引き出す》」役割、
つまり本人も無自覚な、底しれぬ可能性を
目覚めさせ、引き出し、引っ張り上げ、成長させる、
まさに「リーダー」と「コーチ」の役目を
担っているわけです。

もともとカウンセラー的な資質のあったザンダーさんは
その「役目」に自覚的になったときから、
指揮者としてよりも
思考トレーニングや
能力開発コーチングとして
有名になったみたいな感じです。

(私が断片的に調べた限りにおいて
ですが)

確かに音楽レッスンって
非言語的なコミュニケーションの部分があるので
表情とか空気とか仕草とか、感情の色合いとか、
言葉にならないものを読み取る能力は高くなります。
それを利用するから、
ある種の音楽家は一種の詐欺師にもなり、
ある種の音楽家は一流のカウンセラーのような能力者にもなりうるのです。


ザンダーさんの音楽についての文言は
別に新しいことは何もなく、
ショパンのプレリュードについての楽曲解説も
まったく当たり前のことをおっしゃっています。
それに演奏もそれほどかなという感じです。

ただ、その伝え方が、ほんとうに素晴らしい。


私が発見したこと。

1.具体的な身近な例、エピソードを要所要所に挟む

前に「グレイズアナトミー」だったか
で、やはりお医者さんの名スピーチを聞いたときにも
小さなエピソードから導入されていて
これは巧いやり方だなと感じたのですが
ザンダーさんの挿入の仕方には
「波」があって、
4~5分に1回は必ず入れています。
抽象的な理屈と具体的なエピソードとの間を
1/f曲線を描くような感じで
ゆらゆらと、それがまた、うまく聴く側の感情の波に合っているんです。
音楽的というか・・・・。


2.観客席に下りていき、観客との心理的な距離感を自在に操る

もともとピンマイクなので
そういう方法を採るつもりだったようですが
これで「波」が水平面にも生まれました。
あるときは目を覗き込み、親しげに肩を叩き、
座席の前を動きまわって「自分のところにくるかもしれない」という
緊張感を作りだします。
と思うと、「舞台」に下がり・・。
この水平面での「波」の動きは
観客との心理的な距離を手品師のように操っていて
これも巧いもんだと思いました。


3.「演奏を聴く時の心構え」のイメージを与えた

前ふりと言うか、伏線と言うか。
演歌の前奏にかぶる「物語」のようなものです。
「北風小僧のカンタロウ」の一人台詞でもいいけれど。
これで聴く人の心の中に、舞台装置が出来上がり、
ぐっと音楽が具体的になり、受け入れやすくなる。
これは卑怯だけれど、私もよく使います。

どってことないんですけれど
「物語を通して音楽を受け入れる」ということと
「音楽そのものを聴く」ということは完全なイコールではないから
それを重なっている部分だけで評価して
「ねっ、皆、クラシック音楽が好きなんですよ。本当のところは」
と言われてもねえ・・・。
と言う感じがします。

さらに言うと
どんな音楽を聴くかと言うのは
生活スタイルと関係していると思うので
そんなに単純化していいのかなとも思います。


4.ユーモアを挟み込む。特に受け入れがたい事実を告げるときには、
上質のマスタードのように添えて


これは西欧の人は見事だと思う。
日本人には欠けている要素です。
ザンダーさんは、3分に1度くらいはジョークを言っていらしたように思います。
ジョークで笑うと、呼吸が(吐く息)十分になされて
結果、リラックスし、体が温かくなり、
何かを受け入れる体制が身体的に整います。


5.自分の考えをきちんと理解してもらえたら
必ず受け入れられるはずだ(なぜなら私は正しいから)という強固な信念を持つ


ザンダーさんはユダヤ系なんじゃないかな、とちょっと思った意識のあり方です。
これは私にはないです。
この強い信念がプレゼンの情熱の根底にありますよね。


私は話ペタなので
すごくためになりました。







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Last updated  February 13, 2014 10:09:07 PM
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