046325 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

 小説ブログ 「GO!GO!花園」

 小説ブログ 「GO!GO!花園」

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

サイド自由欄

ようこそおいでくださいました。Madam Garden こと花園夫人です!

オムニバス短編小説で、駐在員団地のばたばたな日常を書いてます。

この物語はフィクションであり、実在する企業、団体、人物などとは関係ありません。C国は架空の日本の隣国…っていうか明らかに中国ですね。でも、Q市はあくまで架空の一都市です。登場人物も特定の個人をモデルとするものではなく、すべて作者の想像上の産物です。

作者の注意散漫なうっかり体質による読み苦しい間違いも多々あるかと思います。広い心で付き合ってください。

カテゴリ

お気に入りブログ

2010年12月24日
XML


 

日付が変わってから アップの予定だったのですが、もう待てません。てか、もう眠い。クリスマスイブの夜に、こんなところに来る人がいないとは思いつつ、強行先行アップです!

 

******** X'mas 企画5 days of Christmasn in 花園 *******


サンタクさんの贈り物 15夜 聖誕快楽!



クリスマスの日、手袋を二重にしてリンホンは出勤した。ここ2週間、奥さんは調子がよいようで、頬はまだこけたままだが血の気が戻っている。リンホンが食事を作った日ぐらいから体調が上向きになり、食欲も少し出てきたようだ。

「たぶんつわりの時期が終わったのよ。大樹のときもそうだった。急に終わって、あとは生むまで元気だったから、もう大丈夫。」

実際、この1週間はクリスマスツリーを出して飾り付けたり、大樹を連れて買い物に行ったりと、見違えるようだ。

imagesCAC43S2S.jpg




鈴木家のドアを開けると、興奮しきった大樹が駆け寄ってきた。

「リンホン!リンホン!サンタクさん来たんだよ。大樹がほしかったロボットをくれたんだよ!」

「よかったね、大樹。ママが具合が悪くても、ちゃんと良い子にしてたからだよ。サンタクさん、来たね。えらかったね。」

大樹は誇らしそうにロボットをかかげる。


「これはリンホンから。」

リンホンは休みの日に買った手袋を差し出した。日本のアニメのキャラクターのついた手袋。紐がついているので、大樹でもなくさない。包みを開けた大樹は

「わあ!」

と言って、早速手にはめてようとする。リンホンが手を貸した。さわぎを聞きつけた奥さんが、おはようといいながら奥からやってきた。

「大樹、なんていうの?」


「リンホン、ありがとう。シェイシェー。」


「それからあるでしょ、あれが。」

奥さんの目配せで、大樹が奥に引っ込んで大きな包み2つを抱えてきた。リンホンに押し付けるように渡す。奥さんが、

「リンホン、メリークリスマス。これは私から、こっちは大樹から。」

と言った。リンホンは、思いもかけぬことにびっくりした。

「あけてみて。」

大樹と奥さんが口々に促すので、C国の習慣に逆らって包みを開けると、大樹からの包みからは犬の刺繍のカバーがかかったクッションがでてきた。


「大樹がね、リンホンは犬が好きだからって。リンホンが前にいたおうちののリッキーに会えなくなってさびしがってるって言うのよ。この前、お買い物に行ったときに自分で見つけたのよ。」

「リンホン、わんわん、リッキーだよ。」

確かに、大樹にはリッキーと撮った写真を見せたことがある。そして、クッションに刺繍でで描かれている犬は、リッキーにそっくりだ。奥さんのほうの包みからは、ぎゅうっとたたまれていた腰まである丈のダウンジャケットが、とび出すように出てきた。


「こっちは私が選んだから、気に入るかどうかわからないけど。自転車で朝、寒いと思って。タグをつけたままだから、気に入らなかったら取り替えられるわよ。」

見ると、名前だけはしっているC国の有名なデパートのタグがついている。

「こんな良いもの…。私、着たことないです。もったいないです。」

「リンホンには、10月から体調が悪くてお世話になったから。大樹の世話してもらって、中村さんのところで教わった日本食まで作ってもらって…ほんとにありがたかったの、あのおにぎり。ほんとに、私のママの味がしたのよ。」

奥さんはあらかじめ練習でもしたのか、今日はいろんなことをC国語で言う。

「これからはね、私がリンホンにたくさん日本料理を教えてあげる。私たちもパパさんの仕事でいつかは転勤になるから。そしたらリンホン、また新しいうちに働きに行かなきゃいけないでしょ。日本料理がたくさん、上手にできれば仕事もえらべるし、お給料がいいところに働きにいけるじゃない。」


リンホンは、覚えた日本語でお礼を言おうとしたが、胸がいっぱいになってしまって何もいえなかった。

「シェイシェイ…」

そういうのが精一杯で、あとは大樹のくれたクッションに顔をうずめた。



 

imagesCAU40ICP.jpg
 

 

 



(つづく…)




え~クリスマスなのに終わらない?
つづきはまたあとで。

 


にほんブログ村 小説ブログ 現代小説へ



crosby small.jpgまだ間に合う、クリスマス競作






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010年12月24日 23時00分37秒
コメント(4) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.