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ホビットの家

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2012年08月06日
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テーマ:お勧めの本(7264)
カテゴリ:読書
カルロス・ルイス・サファン著の「天使のゲーム」を読み始めました。
前に同じ作者の「風の影」を読んですごく感動したので、この本が
翻訳されて日本で発売されるのを楽しみにしていました。

「風の影」と同じようにこの本もスペインのバルセロナが舞台になって
いて、「忘れられた本の墓場」、「センペーレと息子書店」などが登場
します。「風の影」より前の時代、20世紀の初めという設定になって
います。



この先大きなネタバレをしないように気をつけながらも内容について
触れてあります。




主人公は新聞社で雑用係をしていた17歳のダビッドです。「ダビッド」
という名前でまず引き込まれました。私が好きな外国人男性の名前
ベストスリーはダビッド(デヴィッド)、ミゲル(マイケル、ミヒャエル)
カルロス(カール)で、好きな俳優、作家、歌手、さらには小説や漫画
の登場人物もだいたいこの名前のどれかです(笑)

ダビッドは新聞にコラムなどを書いている作家のペドロ・ビダルの推薦
で短編小説を書くように副編集長のバシリオ・モラガスに命じられます。
ビダルは45歳独身、新大陸で成功した大金持ちの一族の息子で働か
なくても食べていける、有名人奥方との危険な恋を楽しみながら優雅に
暮らしています。新聞社の副編集長は形容詞と副詞の多い文章は大嫌
いでいつも赤鉛筆を片手にチェックを入れ怖れられている、どちらも非常
にクセのある人物です。

ダビッドの書いた短編は好評で、彼は新聞に連載を書くようになります。
そうなると今まで親切だった新聞社の同僚は冷たくよそよそしい態度に
なりました。短編のファンだという謎の男の招待で17歳のダビッドは妖し
い店に入って自分が小説に書いたイメージ通りの妖婦「クロエ」の導き
で大人になります。貧しい青年がひょんなことから作家として成功し、
妖しい女と出会う、小説としてよくあるパターンだなと思いつつもそれぞ
れの人物描写が巧みですっかり話に引き込まれてしまいました。

そしてダビッドの少年時代が語られるのですが、かなり悲惨な境遇で
した。「風の影」の登場人物もそれぞれ子供の頃深い悲しみや屈辱を
経験していて、それゆえに本や物語の世界に傾倒したり極端な考えを
持つ人間になったりしているのですが、ダビッドも少年時代悲惨でだか
らこそ物語で現実逃避をしています。彼の父は字もほとんど読めない
ので息子が本を読むことを嫌い、戦争から帰った後、仕事や人間関係
に恵まれずどんどん落ちていきます。20世紀の初めはスペインだけで
なくヨーロッパ全体で成功して大金持ちになった人と時代の波に乗れず
に落ちぶれていく人、両極端の人が多くいたのかもしれません。

日常生活が悲惨で親に止められるほど子供は本が好き、勉強好きに
なるようで、ダビッドは「センペーレと息子書店」で本を読むこと(店主は
親切にも立ち読みではなく椅子を出して好きなだけ本を読ませてくれる)
が唯一の幸せになります。この書店の無口な息子が「風の影」では父親
になっているようです。自分の店にわざわざ名前だけでなく息子の文字を
入れる古書店の店主センペーレ、本に直接書いてなくても自分の仕事に
誇りを持って息子に継がせたいと考え、何より息子を愛しているという気持
ちが伝わってきます。今の日本では店に自分の名前をつけることはあって
も、息子の文字を入れているところはまずないと思います(笑)

この本の最初にバルセロナの地図がのっていて、駅やサグラダ・ファミリア
など有名な建物と一緒に主人公が子供の頃住んでいたピソなども書きこ
まれていて、フィクションなんだけど登場人物の家などが実際の地図の上
に細かく記されているので、つい何度も見てこの通りを行けば「センペーレ
と息子書店」があるかもしれない、などと思ってしまいます。ストーリー展開
が巧みでたとえもうまいので、仕事のない日なら1日でいっきに読めてしま
いそうですが、8月の楽しみとして少しずつ大事に読んでいこうと思いました。







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Last updated  2012年08月06日 11時00分29秒
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