ホビットの家

来週がちょうど夏休みの時期にあたるためか、今週は
合併号となっていました。

タイトルは「春の訪れ」でそのとおり穏やかな話でし
た。先週号で卒業試験の質問にジョヴァンニがどう答
えるかハラハラしたのですが、それも終わって一安心
という感じでした。


この先ネタバレあります。


ジョヴァンニは一足先にフィレンツェに戻り、ミゲル
とアンジェロの会話があります。ミゲルが言うには
「今度はどんな方法でチェーザレにそそのかされたの
か？」ミゲル、アンジェロが密偵を引き受けたとすぐに
ピンときたようです（笑）私は遺跡を見た感動を手紙で
伝えるのかとのんきに考えていたのですが・・・それで
もなぜ密偵を引き受けたのかちょっと理解できないとこ
ろがあるので直接聞いています。

ミゲルとアンジェロのこの距離感が好きです。互いに相手
をかけがえのない友人と認めながら、それでも理解できな
いところがあってさぐりを入れている、チェーザレ・ミゲル
チェーザレ・アンジェロとはまた違ったこの2人の関係が
すごくいいです。アンジェロは2巻での河の向こうでの経験
と工場の話を出して1人の子供の運命が大きく変わったのを
目の当たりにしたからこそチェーザレに賭けてみる気にな
ったとミゲルに打ち明けます。ミゲルの言うとおりチェーザレ
は別に貧しい人を救うために工場の建設を勧めたわけではあ
りません。でも結果としてその子供と多くの人を救うことに
なった、貧しい人に施しを与え祈れと言うよりはるかに現実
的な救いになっていると思え、アンジェロが密偵を引き受けた
ことも素直に納得できました。

後半、ジョヴァンニがメディチ家に帰った時、兄のピエロが
頭を下げて「猊下」と呼びかけているのにびっくりしました。
同じ親から生まれた兄弟で兄でありながらも人前ではよそよそ
しい態度を取らなければならない、それくらい枢機卿の位とい
うのは偉く特別なものだったようです。父ロレンツォは病気で
すっかり衰え、今後のジョヴァンニの運命を考えるとかわいそ
うで涙が出そうになりました。でも兄ピエロは母の実家オルシ
ーニ家もついているとあくまでも楽観的です。

そして最後ミゲルがアンジェロにクリストバールの船が着いた
と言う知らせをもってきて、次週はまたコロンブス登場かとい
うところで終わっていました。アレ？今週号はチェーザレが
全然登場していない（笑）話題として名前は出ているのに本人
は出ていなくて、ミゲルとアンジェロの会話で話は進んでいま
した。