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2013年11月25日
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テーマ:お勧めの本(7263)
カテゴリ:読書
「フランス・ルネサンスの人々」という本を読みました。
この本は私が生まれる前に出版され、それぞれの人物につい
ての論文が発表されたのはもっと前になります。私は1年ほ
ど前にこの中に出てくるある人物について知りたくて岩波文庫
で購入したのですが、その時はその人物のページだけ読んで後
の部分はほとんど読まないままでした。それがあるきっかけで
最近になって最初から全部読んでみたわけです。

この本に書かれている人物は有名な予言者や宗教改革者も含まれ
ているので、名前は全部イニシャルで書きます。またあくまでも
私の本を読んだ感想であるので、特定の宗教を批判したりするつ
もりはまったくないことをお断りしますし、論文みたいなものも
期待しないでください。

登場人物をざっと見て、まず頭文字Mの名前が12人中3人もいた
ことに驚きました。大天使ミカエル由来のその名前、フランスでも
かなり人気だったのだなとあらためて思いました。そして私はミカ
エル由来の名前をもつ人間とはかなり縁があるようです。

有名な予言者Nも名前はMでした。そしてユダヤ系の家系に生まれ
(祖父の代で改宗しているが)たということも驚きました。彼はフラ
ンス王宮と深い関わりがあります。有名なKが支配するあの時代の
宮廷で改宗したとはいえユダヤ系の人が深く関わってこれまた有名な
予言をいくつも言っていた、新教旧教の争いが泥沼化して血みどろの
争いを繰り返していたルネサンス期のフランスで逆に異教徒だった人
が大きな信頼を得ていたということに心底驚きました(教皇庁にユダヤ
系の人があの時代は大きく関わっていたということにも驚きましたが)

そしてこの本を購入するきっかけとなったM・Sについてはあらためて
その生涯をじっくりと読みました。くどいようですが彼もまたMがつく
ミカエル系の名前でスペインで生まれていました。この人に深く共感で
きるということは、私はある漫画の登場人物Mが大好きで「私はMです」
と冗談でファン仲間に言ったことあるのですが(笑)それは間違いでは
なかったなと思いました。

M・Sの生涯を簡単に書くとスペイン生まれの医者、神学者。「三位一体」
などを批判したために新旧両方から異端視されることとなり、1553年
にジュネーヴでC派に捕えられ処刑されます。前に読んだ時はもっぱら彼
を被害者として同情し、過酷な刑罰を与えたCの方を憎みました。今回あら
ためて詳しく読み、同情する気持ちに変わりはないのですが、この人は医者
としての実績もかなりあるし解剖もやっていた、教会側の偉い人の侍医や
秘書のようなこともやってイタリヤ、フランス、ドイツなど各国を旅してい
るし地理学や占星術にも興味を持っていた万能なルネサンス人だったのだな
と思いました。その彼がなぜ新旧両方を敵にまわすような本を書き、さらに
自分を憎んでいるとわかっているJ・Cが待ち構えているようなジュネーヴ
にわざわざ行ったのか、わからないからこそもっと調べてみたいと思いまし
た。

M・Sを処刑したJ・Cですが、彼は彼で若い時は迫害にあい本当に苦労して
います。だからこそ自分が教祖となり政治的にも権力を持った時には批判する
者は容赦なく弾圧したのでしょう。苦労があったからこそ信念も強くなり残酷
になっていく、頑なな信念を持った人間が世俗の権力を持った時どうなるか、
その恐ろしさを証明しているような人だと思いました。

この本の最後はS・Cという神学者について書かれていました。S・Cは最初
J・Cと一緒に理想を追求したけど次第に疑問を持つようになって追放され、
後に特にM・Sの処刑についてJ・Cを激しく批判した人です。いくら批判し
たところでJ・Cの態度や考え方は変わるわけもなく、またフランスでの新旧
両陣営での争いは激しくなるばかりで自分の命さえ危ない、それでも批判し続
けたこの人の態度に深い感銘を受けました。著者が最後にこの人物を紹介して
いるということも、人文学者としてのあるべき姿がこの人に重なったからだと
思いました。









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Last updated  2013年11月25日 11時11分32秒
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