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2014年01月20日
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テーマ:お勧めの本(7263)
カテゴリ:読書

「フランシス・イェイツとヘルメス的伝統」という本を読み終わり
ました。この本は数年前彼女の代表作である「ジョルダーノ・ブルーノ
とヘルメス的伝統」を読もうとした時に一緒に読んだのですが、当時の
私はそもそもヘルメス主義がどういうものかまったくわかっていなか
ったので、正直言って内容はほとんど理解できなかったです。でも去年
の秋にフラワーエッセンスの講座に出た時に思いがけないところで「ヘル
メス思想」についても触れていて、自分もエッセンスを体験する中でお
ぼろげながらヘルメス思想がどういうものかわかってきたので、もう一度
これらの本を読み返してみようと思ったわけです。

フランシス・イェイツが記念碑的著作「ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス
的伝統」を刊行した時、彼女は60歳を越えていました。それまでも研究を
続けて論文などを書いていたわけですが、世界的に注目を浴びるような本を
書いたのが60歳過ぎというのは自分もまだこれから何かできるかもしれな
いと勇気づけられました。

彼女は1999年に4人兄弟の末っ子として生まれます。ちょうど思春期の
頃第一次世界大戦があり、家族の中で唯一の男の子であった10歳年上の
兄が戦死するという不幸がありました。戦争のため正規の大学教育を受ける
こともなく、また同世代の男性が多数戦死したこともあって彼女自身も姉も
生涯独身でした。大切な一人息子を失って失意のどん底にある両親と共に生活
し、晩年は年の離れた姉と一緒に暮らして手助けされながらも高齢となった
姉の介護の問題が出てくる、女性だからこそ自分の仕事や研究だけをやってい
ればよいというわけにはいかず家族の問題にたえず振り回されなければなら
ない、でもそうした問題があり、正規の教育を受けなかったことが自由な発想
を生み世界中の学者を驚かし歴史観を変えるような本を書くことができた、こ
の事実に感動しました。

彼女がブルーノに出会ったのはその本格的な本を書く30年前でした。イギリス
に滞在していたイタリア人の学者、ジョン・フロリオについて調べていた時、同じ
頃イギリスに滞在していたジョルダーノ・ブルーノの著作に興味を持ち、翻訳を
試みます。けれどもロンドン滞在の時に書かれた著作の一つ「聖灰日の晩餐」を
翻訳した後、彼女はブルーノが何を言おうとしているのかわからなくなり、結局
翻訳した本の出版は断念します。この挫折、わからないことがひっかかって調べ
続けた結果、ヘルメス的伝統という新しい解釈でブルーノについて書かれた本が
脚光を浴び、彼女の人生を大きく変えたわけですから、運命的な出会いはもちろん
のこと、挫折やよくわからなかったというひっかかりこそが情熱を呼び醒まし研究
を続ける大きな力になると思いました。

別の著作で「薔薇十字の啓蒙」というのがあって、これはイギリス王ジェームズ1世
とブファルツ選帝侯フリードリヒ5世との結婚に焦点を定めたと紹介されていました。
この王と王妃はターナーの「ハイデルベルク」という絵に描かれています。正直ター
ナー展でこの絵を見た時は彼は人物を描くのはあまりうまくないな、などと失礼なこ
と思ったのですが(笑)本で絵の説明をあらためて読んでみると、この2人はボヘミア
王になるもハプスブルク家に敗れて亡命を余儀なくされた、後のイギリス王家に続く
この2人をあるべき場所に描くという意図がターナーにはあった、なんてことが書かれ
ていました。他にもバイロンの詩を彼女が若い頃愛読した、ジョン・ラスキン(ターナー
の熱狂的な愛好者)の著作が彼女だけでなく多くのイギリス女性学者の興味をイタリア
ルネサンスに向けた、ということも書かれていて、直接ターナーの名前は出てこなかった
けど深い繋がりがあり、そうした憧れや理想があってこそ地道な研究を続けてこれたのだ
ろうとうれしくなりました。







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Last updated  2014年01月20日 11時26分39秒
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