鈴木一真さん、田中美里さん、ヒロシさん出演の舞台・「錦鯉」に行ってきました。
【錦鯉】
サラリーマンから、突然、弱小ヤクザ・赤星組の組長に抜擢された水野(鈴木一真)。
先代の息子・赤星(笠原浩夫)と古株の坂口(たかお鷹)しかいない組員の補充に
フリーターをしながらも香港女性(木南晴夏)に入れあげている
小学校からの友人・吉田(ヒロシ)を引き入れ、
事務所は妻の祐子(田中美里)が改装するにまかせ、
水野は「新しいヤクザの形を作る」と宣言するも、
元営業マンの愛想の良さや低姿勢が過ぎて、資金回収率もいまひとつ。
そこへ赤星組を傘下にしている狭山組から、無理難題を押し付けられ
水野と組員達の運命は、劇的に変転してゆく・・・。
舞台は親友同士の水野と吉田の掛け合いでスタート。
客席の、かなりのパーセンテージをヒロシさんのファンが占めているようで
この手の劇ではあまり経験したことがない、冒頭のセリフが始まったとたんの拍手に
驚きましたが、もっと驚いたのは彼の声の通りの良さとテンポの早さ☆
【ブルー・プレリュード】
日々、修羅場を重ねるステージを一人で演じ切る方ですから、
演劇の世界は初舞台といっても、やはり堂に入ったもの。
まだ声の強弱がフラットな高校演劇節風のセリフ回しではありましたけれど、
劇が進むにつれて、だんだんと役に血を通わせてゆかれる様子がみえました。
これからさらに、役者としても発展される方だと思います。
赤星&坂口の任侠な会話も絶妙。
お二人は本当に芸達者で、お声もよろしく、いつまでも聴いていたい感じ、
コミカルとシリアスない交ぜになった舞台をリードしておられました。
鈴木一真さんは、NHK「出雲の阿国」で拝見して以来、注目している役者さん。
優しく気弱な雰囲気も、針の先のような鋭さも、美も醜も演じられる方ですね。
赤星をされた笠原浩夫さんは初めて拝見。
客席全部を抱き取るような大きさのある、その上、美しい方でした☆
【メディア】
田中美里さんと木南晴夏さんも、イマジネーションに従いたい男性性を、
リアルに生きざるを得ない女性性で鮮やかに照らし出しています。
小劇場的な作風にもかかわらず、大きな箱で、名の通った役者さんを使って
枠に合わずに居心地の悪いものに仕上がっている舞台を、
残念ながらこのところ何度も経験しているのですけれど、
今回の舞台は、軽く見せる言葉つきに硬質かつ柔軟な意志が通っていて
本と演出、双方が役者さんたちをきちんとまとめ上げているのが感じられました。
観てよかったなと思える舞台は久しぶりです☆
公演は続いていますので、機会があればぜひ。
【約三十の嘘】
☆ パンフレットの「ケンカ上等・超実力主義的 成り上がり度診断テスト」を
試してみましたら「成り上がり度 90%」の結果、しかもわたくし、
「ドッヂボールで逃げ回り最後にしとめられる」小学校時代でしたのに☆
「演劇・映画・文学談義」
「運命と宿命・ヒロシさん」
「喜怒哀楽・田中美里さん」
☆☆☆ 来年度の美輪さんの舞台、「階段落ち」で有名なあの作品になるよう。
これで念願が叶います。ありがとうございます。☆☆☆