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カテゴリ:オーラの泉
内藤さんは太一くんと同い年、ご覧になってきたものにも共通点があるようです。
江「中学生のときでも、漫画とかアニメがお好きだったんですね☆ アニメばっかり観ている☆」 内「また・・・すごいですね☆学生のときはアニメが大好きで」 国「何を観ていたんですか?」 内「『忍者ハットリくん』も観たしなあ・・・」 国「僕、世代は一緒ですものね☆同い年なんですよ。 観てるアニメとかも多分一緒だと思うんですよね。そういうのが見えているわけですか?」 江「そう☆」 内「怖いな・・・ちょっと・・・☆」 22歳でプロボクサーに。19戦無敗でランキングを上げ、 2002年、2005年に世界チャンピオンに挑戦するも敗退。 内「あの・・・二回目のチャレンジのときに『負けたら引退』とは決めていましたね」 美「判定負けだったわけでしょう?」 内「はい、そうです。負傷判定で」 国「自分で思っていた引退を選ばずに、現役続行を選んだわけじゃないですか。 そこには何があったんですか?」 内「負けたときに友達と『ああ、引退だ。引退旅行いこうか』 自分の試合前に必ず行くキャンプ地があるんですね、フィリピンのセブ島なんですけど そこに行ってジムを訪問したんですね、スパーリングをやってくれた フィリピン人ボクサーとかに会いに。そのときに 『おい、内藤、試合どうだった?』『負けたよ』 『あ、そうか。じゃあ、次、試合いつやるんだ?』って言うんですよ。 そのサバサバした姿がすごく印象的で、何かね・・・ すごくそれを言われて嬉しかったのと言い方は悪いですけれど 『またこいつらと一緒にボクシングやりてえ』と思ったんですね。 日本に帰って、じっくり考えて 『やる。もう一回だけやる』と思って引退しなかったです」 国「『辞めるな』とかじゃなくて『次、いつやるんだ?』という言葉が・・・」 美「日本人って情緒的に、マイナス思考じゃありませんか。何かあると後ろ向きに考えて 『ああ、大変だ。これからどうやって食べていくの?』 余計なことをごちゃごちゃ、情念を引きずるのよ。そういうのをスパッと切って 『あ、そう。じゃあ、またやればいいじゃない』サバサバしてるわけでしょう? カラッと乾いているのね」 江「殊に内藤さんに限っては『駄目』から始まる方だから、何事も。何でもやるときに 『駄目だけど、やってみようかな』 でもね、駄目から始まる人なんだけど、もともと内藤さんはものすごく粘り強い。 だからいじめられたときもそうだけれども、それのおかげもあるかもしれない もともとの魂は、耐えることには自信がありますでしょう?」 内「そうそう・・・どっちかというと僕、自分で才能ないと思っていますし、あの・・・ じゃあ才能がなかったらどうやって追いつくか。 やるしかない、人一倍やるしかない。どっちかというとコツコツ派ですね。 自分ではそう思っています」 江「お母さんもそういう風に教えてきましたしね。そんなことはないんだけれども 『お前はパッと華やかじゃないんだから、努力しないと駄目なんだ』ということを ずっと叩き込まれて・・・」 内「そういう親なんですよ。 『まだまだだよ。駄目だ、これで満足するな。もっとやりなさい』という親です」 江「『人の倍やらなきゃ、お前は駄目なんだ』とかね。 ねばり強さというのはそういうところからもあって。それで、意外と頑固ですよね☆ 赤いオーラを持っているんだけど、ちょっと黒い、頑固のくすみがあるんですよ☆ 『駄目だ・・・』となっちゃうと、まあ手に負えないところがあるだろうなと」 その日のスタジオには、可愛らしい奥さまもお見えになっています。 国「奥さんにも『二度目の世界戦を失敗したら引退する』と言っていたんですか?」 内「『辞めるよ、俺』とは言っていました」 国「三度目に挑戦するときに『やっぱりもう一回、やりたいんだけど・・・』 ということを話したとき、奥さんのリアクションってどうだったんですか?」 内「『あ、本当』」 国「そんな感じですか」 江「奥さんって、あっけらかんとしてる人なんです。だからどっちを言っても 『ふーん』やるも辞めるも『あ、そう』」 内「まったくそうです」 江「だって奥さんの力が絶大なんですもん☆」 美「でも、それは救いよね。一緒にがっかりしたり 『どうしようか・・・』なんて言われたら、真っ暗けよ☆ 『あ、そう』と言われたら、楽ですよ」 内「めちゃくちゃサバサバしてますね」 江「ある意味ではよくわかっているというかね 『あんまりそこで関わってもしょうがないから、放っておこう』というところも あるんですよね。だから内藤さんが一人でクヨクヨ悩んでいるときでも 横でいびきをかいて寝られる人です☆それが腹が立つんでしょ☆」 内「そうそう☆試合の前日に☆ごめんね、かみさん☆ あの・・・僕は二歳の子どもがいるんですけど、かみさんが 『ちょっと寝かしてくるね。また起きてくるね』と言ってくれたんですね。 『待ってるよー』と言って・・・そうしたら、そのまま寝ちゃって☆ 辛かったですね、その日はね。『話、聞いてくれないのかなーもう・・・』」 美「面白い☆」 国「江原さんの言ったようなことが、本当にあるんですね☆」 江「だから、いいんですよ☆」 内「そういう性格」 江「ええ」 国「チャンピオンになるまでは、お金の方もそんなにボクサーって 儲かるお仕事ではないですよね」 内「極端に言えば、世界チャンピオンにならない限り ボクシングだけでは食べてゆけないので・・・」 国「それが何年も続いていたわけですよね」 内「そうですよね、もうギリギリの生活というんですかね・・・ 僕、日本チャンピオンになって、ファイトマネーが一時的に入ります。 それはもちろん、全部使わないですよね。 それをちゃんと取っておいて、あとはアルバイト。 二人一緒にアルバイトをして。 やはりボクシングの方が大事ですから、アルバイトも長い時間やらないわけで だから収入も少ないわけですよ。その収入だけでやっていけないから ファイトマネーを切り崩してやっていたという感じですね。 正直、あの・・・そのお金すら無くなります。そのとき、うちの母親に 『本当に申し訳ないけど、今月、協力してくれないか?お金を貸してください』 それに対して本当に、すごく協力してくれましたね・・・うちの母親。 だから今は感謝してますね、すごく感謝してます」 美「立ち入ったことを伺ってちょっとはしたないんですけれど、奥さまとお働きになって アルバイトはおいくらぐらいになるんでしょう?」 内「王座を獲ったときなんかは、試合の1ヵ月前まで僕、アルバイトをしていたんですけど 夫婦合わせて月収12万円、実際は10万前後しか稼いでいなかったですね」 美「そこからお家賃を払ったりなんかなさる、光熱費を出したり・・・」 内「そうですね。今は世界を獲って、やっと食べていけますけれども・・・」 美「大変でしたね・・・」 内「本当に、周りの協力なしには、自分はなかったんですよ。 本当にそれは、感謝してます、すごく感謝してます」 国「試合後のインタビューで、チャンピオンがそういうことを言っているのが すごく僕は印象に残っているんですよね。本当に周りの人に感謝しているなというのが・・・」 内「本当に、本当にそうですね。『こんな俺のために・・・』って ずっといつも思っていますね。いじめられていたというのが、すごく印象に残っていて 『こんな、俺みたいな奴になんでみんな協力してくれるんだ?』ってね、いつも思います。 ありがたい・・・」 美「それにしてもね『自分のために、栄誉のために、どうしても相手をのしてやる』とかね そういう自分の情念でやっているのではなくて、周りの人のためにというのがね・・・」 内「本当に、こんな言い方はいけないかもしれないですけど、本当に 『応援してくれるみんなのために、俺、やってやる!』みたいな・・・ありましたね」 美「そこが素晴らしい」 内「今だに思っています。『何で、不思議でしょうがない。何で応援してるのかな? 高いお金を払って来てるのかな?』って・・・」 美「だからその『真心』に対して、『真心』で返したわけだから これは素敵な、美しい話ですよね」 奥さまのお話 「『彼がやりたいならやっていいよ』そういう気持ちでした・・・ 辛い姿をずっと見てきたので・・・勝ち負けはそんなに関係ないというか・・・」 2007年7月、3度目の挑戦で世界チャンピオンになったときに 会場で応援されていたお母様のお話 「『あんた凄かったね、偉かったね』って期待してたかもしれないけれど。いつも言うのよね 『俺、お袋に褒めてもらったことない』 特別、褒めるほどのことでもないの、自分自身のことだものね。 あれだって33歳、親に褒めてもらおうとか、それほど期待してないですよ。 世界を獲った、獲ったっていうけど、大助の努力が第一番、だけど 後援会の応援してくれる人たち、みんな自分のことのように手に汗を握って ハラハラ冷や冷やしながら応援してるわけよね。 みんなの力で、やっぱり世界を獲れてると思うんだわ」 苦労の末に世界チャンピオンになった内藤さんは 日本中が注目した亀田選手との初防衛戦を迎えられます。 美「あのときね、いろいろお出になっていて、凄く愚かなコメンテーターが したり顔をして内藤さんに失礼なことを言っているのね。 『でもあなただって、亀田さんと一緒にやったことで、メジャーじゃなかったのが メジャーになったんだから、それで得したわけじゃないですか』 馬鹿者っていうのよ!だってね、向こうが逆ですよ。こちらは世界チャンピオンでしょう? 世界チャンピオンにチャレンジするということで、向こうが暖簾を借りて勝負して それで知名度を上げて利用しようとしてるわけだから。 逆に向こうの方がプラスになっているわけですよ。 よくそんな卑しい発想で物が言えると思ったのね。 そのときも、ちっともお怒りにならないで 『はい、そうです』とおっしゃっていたでしょう? じれったいくらい、人が良い方だなと思ったの」 国「僕も同じ年で、18歳の同じ事務所の後輩に『ゴキブリ』って言われたら まず切れますもん、俺☆。絶対にキレてると思うんですよね。 そこをまず、まあ、まあ試合でやろうと。ちゃんと試合でやろうと。 それで試合の中でも、ちょっとこう・・・汚くなったりとかいうのがありましたけれども 後半になってゆくにつれて。自分を抑えるのは結構大変じゃなかったですか?」 内「そうですね・・・あの・・・本当に・・・途中で 『あ、もう駄目だ、もう駄目だ』と切れたときがあって、ラウンドが終わって インターバルでセコンド(選手の介抱や作戦指示に当たる介添え人)のところに帰ったときに 『もう・・・我慢できねえ』セコンドがやっぱり冷静で 『いいか。お前、冷静になれ。お前がやり返したら、向こうと同じになっちゃうんだよ』 その言葉が響きましたよ。 『同じことをすれば、同じになっちゃうよ。同じ目で見られるよ』それで目が覚めましてね。 『お前はチャンピオンのボクシングをするんだ』ってセコンドが言ってくれて」 美「素晴らしい。それでやっぱり、チャンピオンらしくおやりになって、正解でしたね」 内「セコンドのおかげです。例えばセコンドが 『反則されているんだから、お前もやり返してこい!』と言っていたら 本当にやり返していたと思うし、じゃあ試合になっていなかったですしね、 僕も非難を浴びていたと思いますしね。本当、いいアドバイスをしてくれたと思います」 続きます。 「片岡鶴太郎さん・32歳の転機」 *** これまでの「オーラの泉の日記」、よろしかったらどうぞ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 13, 2007 06:14:33 PM
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