歴史の変わり目
多くの方々が気づいておられると思いますが、私たちはどうやら、歴史の変わり目に立ち会っているようです。ここ数十年を振り返ると、日本には少なくとも3つのポイントがあります。1945年・・第二次世界大戦における日本の敗北。1989年・・昭和が終わり、平成が始まる。年末には日経平均株価が歴代最高値。世界史的には、ベルリンの壁が崩壊し、旧ソ連とアメリカの東西冷戦が、事実上、終結。2011年・・東日本大震災。地震、津波、原発事故のトリプル・パンチ。1945年の敗戦後、旧ソ連とアメリカの東西冷戦において、日本はアメリカ側に身を寄せ、経済復興に特化した社会システムを築き上げてきました。ピークを迎えたのが、おそらく1989年。その後、バブル経済は崩壊し、日本が停滞・迷走してきたことは、ご存じのとおりです。多くの識者が指摘してきたことですが、旧ソ連とアメリカの東西冷戦という外的要因が消滅し、経済の右肩上がりという内的要因も崩壊して、日本の社会システムは弊害が目立つようになってしまいました。時代が変われば、勝ちパターンも変わる。これまでのシステムが通用しなくなってしまうのです。2011年の東日本大震災は、燃えさかる炎のように、多くのものを照らし出しました。被災した人々の、驚嘆すべき忍耐力。救助活動、特に福島原発における現場の人々の献身と勇気。中央政府や電力会社の上層部では、残念ながら、初動の遅れと迷走が目立ちます。東日本大震災は、被災地に大きな被害と悲しみをもたらしただけでなく、20年余り停滞・迷走してきた日本の社会システムに、強烈な打撃を与えました。日本はこのまま坂を転げ落ちるように衰退していくのか、それとも、立ち直り生まれ変わるのか。私たちは、歴史の変わり目に立ち会っています。これからの日本の未来に、現状維持=引き分けはありません。急激に衰退するか、立ち直るかの2つに1つ。すでに賽(さい)は投げられています。サイコロの目は、まだ出ていません。未来を決めるのは「誰か」ではなく、「私」であり「あなた」です。