テーマ:アメリカ旅行記/生活記(948)
カテゴリ:千ちゃん
『デラシネの夏』 (※デラシネ=フランス語で「根無し草」の意。)
今年の夏、僕は定住生活をしていない。 と書くと「ええ?」と思われるかもしれないけど、実は、今までいい感じで暮らしていたアパートが、ちょうど契約更新の時期にさしかかったのと、ちょうど学校が夏休みに入ったのとで、「よし、それなら引っ越そう。同じ引っ越すなら、今回は時間をかけてゆっくり探そう」というわけで、一旦アパートを引き払い、ホテル住まいを始めたのだ。 せっかく根が張り始めたアメリカでの生活だったが、「生活をたたむ」という行為は意外なほどあっけないもので、一瞬の出来事だった。お気に入りの和食器も、こっちに来てから増えた音楽機材も、前の住人から譲り受けた組み立て式ベッドも、何もかもが一切合財、キレイにたたまれた。今頃はNY郊外のストレージ(倉庫)の中で、「主はどこへ行ったのだろう?」とひそひそ話をしている頃かもしれない。 最初は冗談で、仲のいい友達に「これが夏でよかった。いざというときは、公園とかで寝たりもできるし」なんて言いかけて、若干の「さみしさ」を紛らわしたりしている自分に気がついてはっとした。ところが、いざ「家なき子」になり、ドッグフレンドリーな安宿での生活が始まると、生活というものはいつもと同じように、まったく変わらず淡々と始まっていくものなのだと再認識できる。こんなに身軽で気楽ならば、このまましばらくこの状態でいいかも、なんて思う自分が少々恐ろしい。人が社会生活からドロップアウトしてしまうのって、こういう「一瞬のゆらぎの感覚」からなのだろうか? しかし、シンプルで根源的な1日が、すべての持ち物から離れてみることによって、霧が晴れたかのように見えてくる。それはとても得難い感覚だということに気づく。「毎日は旅の連続」だ。 照りつける夏の暑さとともに、この旅はしばらく続くけれど、焦らずに7月いっぱいかけて、新しい住処を見つけたいと思う。みなさんもいい夏を。 ![]() ![]() 以前にものせていますが、これはフリーマガジン「関西電力withはぴe」から紹介させて頂いていて、転載がアウトではない、、、とは思っているんですが、 本文にもあるように、学校がお休みの間、 日本にも一時帰国されていた千里さんで、 期間限定かな?Twitterも登録されていまして、 ムダだとは思いつつも、こういう記事を載せていいかというお伺いを送ってみましたが、案の定、何の反応もありませんで (フォローされていなければ返信に気づきにくいし、あえてスルーされたかも) もう、NYに戻られてしまいました。 日本でも、何か仕事をこなされていったようなので、 新しい千里さんに、出会えたらいいなぁ。
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