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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2008年12月18日
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カテゴリ:クラシック音楽



 先日の村治佳織のコンサートの影響で、買った1枚。

オリジナル・レコーディングは1986年にカリフォルニアのPENGUIN RECORDINGにより録音されました。

このCDはGSP RECORDINGにより1996年に再発されたものです。
1999年録音と結構古いアルバムですが、結構楽しめました。
大傑作かといわれれば、答えに窮しますが、ヨークの自作をはじめ味わいが深い作品が多く、癒しを求める方にはぴったりの音楽ではないでしょうか。

このアルバムがよく売れているかどうかは知りませんが、良く売れるのは得てしてこういう音楽です。

 お目当ては自作の「Sun Burst」でしたが、これはあまり印象が強くなく、他の曲のほうに興味が移りました。

sunb burstの意味は英辞郎によると『〔雲間から急に〕日が差すこと』とのことです。

「burst」ですからさぞかし強烈な光だろうと思って聞くと肩透かしを食らいます。

強烈な光ではなく、少し曇っていてちょっとだけ気温が下がっているところに、暖かな日差しが照ってきてその陽だまりのぬくもりが心地よいといった感じではないでしょうか。

場所は都会ではなく、土のにおいのする田舎でしょうか。

描写音楽ではなく、作曲者の心情風景を写し取ったものだと思いますが、その細やかな感情の起伏がよく描かれていると思います。

早い勢いのあるパッセージは作曲者のうきうきした気分を表しているのでしょうか。

さすがによく演奏されるだけのことがある佳作だと思います。

自作では「サンシャイン・ラグ」のユーモアを湛えた旋律に共感を覚えました。

短い曲ですが、ラグというよりもカントリーのテイストが強く、その軽妙な音楽を聞いていると思わずににやりとしてしまいそうです。

 彼の作品は全体的に穏やかなムードを癒しを感じさせるものが多いと思います。
 
純然たるクラシック調の作品ではなく、カントリーやジャズを感じさせる部分もあり、親しみやすいと思います。

作品の質はとても高く、ばらつきも少ないと思います。

 表題曲の「Perfect Sky」はエレクトリックギターでの演奏です。
 
とてもゆったりとして穏やかな曲調です。
 
どこか瞑想的なところもあります。

思わず口ずさんでしまいそうなメロディーで、映画にもよく合いそうです。

 クラシックの編曲物が数曲ありました。
 
その中ではチャイコの「金平糖の踊り」がユーモアたっぷりでとても面白かったです。

これはエレクトリック・ギターでの演奏でした。

原曲にあるチェレスタのカデンツァ部分は省略されています。

くるみ割り人形といえば今の季節にふさわしい音楽で、これが刺激になって、原曲を聞きました。

耳タコな曲で、聞くのなんてクリスマスが近くなったときぐらいです。

しかし、改めて聞くと、やはり名曲であるなと思ってしまいます。

このバレエ音楽では、冒頭の小序曲からチャイコフスキーのオーケストレーションの腕のさえというものを、ラベルとは違った意味で感じてしまいました。

チャイコフスキーの音はきらきら輝いています。

ラベルは底光りするような、例えると紫水晶のような深みのある音色を感じます。

 一般的にはチャイコフスキーは旋律が素晴らしいということになっていますが、オーケストレーションも素晴らしいことがプロの方は別にしてあまり知られていないのは残念です。

 常人の気付かないようなオーケストレーションで絶妙の効果を上げる、それがチャイコフスキーのオーケストレーションの特徴です。
 
たとえば、「悲愴」の第4楽章の第1主題が第1と第2バイオリンで分けて書かれてあるというのは有名な話です。

私の守備範囲で言うと同じ「悲愴」の第2楽章のホルンの伴奏音形なんですが、同じ音で上から下がって上に行くパートと下から上がって下に戻るというパートがあります。

これなんか、同じ音を逆に吹いているだけだから足すと上の音と舌の音が鳴っているだけのように思うのですが、実は違うんですね。いわく言い難い効果が出てくるわけで、個人的にはチャイコフスキーの天才を感じるか所ですね。

 しかし、チャイコフスキーはホルンがとてもきついです。何気ないフレーズがずっと続くようなところは、実はとても大変なのです。。。

(閑話休題)

ヴィンス・ガラルディのピーナツからの音楽「Linus & Lucy」。

作曲者らの演奏を聴くと快活でテンポの速い音楽としてとらえています。

ヨークのとらえ方はちょっと違うようです。少しテンポを遅くしてじっくりと演奏しています。

後半のカントリー調のアドリブ風なフレーズはなかなか気が利いています。


 「Reflections」はしみじみとした音楽で心に沁み渡っていきます。

これも映画にぴったりの音楽です。

 最後はディズニーの「星に願いを」でした。
 
これもエレキ・ギターの演奏ですが、バースからきっちりと演奏しているのが印象的です。

多彩なテクニックを駆使した音色の変化が聞きものです。

この曲はとても雰囲気がよく、テレビ番組のエンディングにぴったりのムードを持っています。

 総体的には、決して堅苦しくはないのですが、ある種の節度を持っているところがクラシックの演奏家である所以でしょうか。

ということで愛すべき佳作として長く愛好すべきアルバム、というのが私の感想です。

ANDREW YORK:Perfect Sky(GSP1011CD)

1.A.York:Sunburst
2.A.York:Green Galliard
3.A.York:Andecy
4.A.York:Sunday Morning Overcast
5.A.York:Muir Woods
6.A.York:Rock Skippin' Creekside
7.A.York:Perfect Sky
8.V.Guaraldi(arr.A.York):Linus & Lucy
9.A.York:Sunshine Rag
10.Tchaikovsky(arr.A.York):Dance of The Sugar Plum Fairy
11.F.Couperin:Mysterious Barricades
12.A.York:Reflections
13.L.Harlin(arr.A.York):When You Wish Upon a Star

A.York(g)






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Last updated  2008年12月18日 19時31分11秒
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