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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2014年07月14日
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カテゴリ:クラシック音楽



ブニアティシヴィリの3枚目のアルバム。
それほど期待していたわけではなかったがこれが凄く良かった。
前作のショパンアルバムも悪くはなかったが、まだ信じられない所があった。
ところが今回の変わりようには目を見張った。
HMVのレビューでは世紀の名盤と書かれていた。
こう書かれると何かとてつもない演奏と感じるが、そういう傾向の演奏ではない。
タイトルは「母国」であるが、彼女の好きな静かでインティメイトな作品を集め、ストーリーを持たせたもの。
ところがこれがとてつもない高みに達している。
そういう意味では、世紀の名盤と言えるのかもしれない。
ゆったりとしたテンポの曲が多く、技術的に難しい曲はあまりない。
それよりも、聴きなれたというか手あかにまみれた曲が多い。
アプローチはオーソドックスなものなのだが、全編にわたって温かみのあるサウンドと、聴き手が理想的と思われるようなテンポとフレージングで文句のつけようがない。
注意深く聴いていると、微妙な強弱をつけたり、僅かなアゴーギグが感じられる部分もあるが、作られたという印象は全く感じられない。
殆どが美しく悲しみに満ち溢れている。
エピローグに位置付けられたバッハは普通だとなんとなく耳を通過してしまいがちなのだが柔らかで軽やかな音楽になっている。
スカルラッティも落ち着いたテンポで潤いのある表現。
気に入ったのは映画「アーモンドの花咲くとき」メインテーマ。
この映画は同郷グルジアの映画監督ラナ・ゴゴベリーゼの作品で、音楽も同郷のギア・カンチェリ。
ギア・カンチェリは交響曲からオペラまで広い分野で活躍している作曲家の様だ。
心を揺さぶられるような演奏だった。

出典:Wiki

ブラームスの間奏曲作品117~第2番 変ロ短調がこれほどまでに情熱的に語りかけられたことはあっただろうか。
チャイコフスキーの「四季」からの「秋の歌」やメンデルスゾーンの「失われた幻影」にしても同じだ。
スクリャービンの練習曲はおそらくはホロヴィッツを超えている。
通俗名曲である「月の光」や「亡き王女のためのパバーヌ」にしても今まで聴かれなかったような表現があり、新鮮だった。
テンポの遅い曲の中にあって、ドヴォルザークのスラヴ舞曲 ホ短調 作品72-2が少し速いテンポで、コロコロと転がる音とともに新鮮だった。
ペルトのティンティナブリ様式の代表作「アリーナのために」はこの中ではちょっと異色だが、深い川の中の景色を見るような気分がして悪くない。
ということで、このアルバムはこれから長く聴き継がれていく音楽に違いない。
是非お聴きいただきたい。

Motherland -Piano Pieces : Buniatishvili(SONY 88883734622)

1.Bach:Cantata BWV 208, No. 9: Aria: Schafe konnen sicher weiden
2.Tchaikovsky:The Seasons Op. 37b, No. 10: October:Autumn Song
3.Mendelssohn-Bartholdy:Lied ohne Worte in F-Sharp Minor, Op. 67/2
4.Debussy:Suite Bergamasque No. 3 in D-Flat Major: Clair de Lune
5.Kancheli:Tune From The Film by Lana Gogoberidze: When Almonds Blossomed
6.Ligeti:Musica ricercata No. 7, in B-Flat Major
7.Brahms:Intermezzo in B-Flat Minor, Op. 117/2
8.Liszt:Wiegenlied, S.198
9.Dvorak:Slavonic Dance for Four Hands in E Minor, Op. 72/2: Dumka (Allegretto grazioso)
10.Ravel:Pavane pour une infante defunte in G Major
11.Chopin:Etude in C-Sharp Minor, Op. 25/7
12.Scriabin:Etude in C-Sharp Minor, Op. 2/1
13.Scarlatti:Sonata in E Major, K. 380
14.Grieg:Lyric Piece in E Minor Op. 57/6: Homesickness
15.Traditional:Vagiorko mai / Don't You Love Me?
16.Handel:Menuet from Suite in G Minor, HWV 439
17.Part:Fur Alina, in B Minor

Khatia Buniatishvili
Recorded April 15-19,2013 at Jesus・christus-Kirche,Berlin







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Last updated  2014年07月14日 18時19分28秒
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