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bunakishike
折に触れて聞いた音楽の感想をだらだらと書いています。
音源は主に海外サイトからダウンロードしたハイレゾで、その他観たコンサートや映画などの感想を綴っています。
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またブルーノートのロープライスのシリーズが始まっている。
今回は地味な作品が多いが、ファッツ・ナヴァロの２枚を買おうと思って、検討したのだが、別テイクが多く、保留状態だった。
そんな時とき代表作？らしい、サヴォイの「ノスタルジア」が安く売られていたので購入してしまった。
１曲目の「ノスタルジア」がなんといってもいい。 |
短いバースのある作品で、なかなか洒落ている。
どこかで聞いたことがあると思っていて、少し前に日野皓正のアルバムをまとめてリッピングしたものを聴いていたら、偶然ノスタルジアに当たった。
ああこれかと思った。
日野も別なフレーズながら洒落たヴァースをつけて吹いていた。
私の聴く前のナヴァロの印象は「火を吹くようなトランペット」というものだった。
このアルバムを聴いたら、確かにそんな側面もあるには違いないが、むしろ軽くて小粋な味の演奏が意外だった。
サイドマンではデクスター・ゴードンというビッグ・ネームが参加している。
ゴリゴリとソロを取っているが、ナヴァロに比べると力任せのプレイが目立つ。
このアルバムは三つのセッションからなっている。
最初が１９４６年１２月のエディ・デイヴィス・アンド・ヒズ・バッパーズの４曲で、アルバムでは最後に収録されている。
次が１９４７年１２月５日のナヴァロ名義のセッションで、最初の４曲。
一番新しいのが同年１２月２２日に収録されたデクスター・ゴードン・アンド・ヒズ・ボーイズのセッションで、最初の４曲に続いて収録されている。
結局寄せ集めのアルバムなのだが、ナヴァロの個性が光り輝いている。
出来としては、ナヴァロ名義のセッションが最もいい。
チャーリー・ラウズのプレイが他のセッションほど表でていないというか、必要十分でナヴァロとのバランスがすごくいい。
ダメロンの端正でリリカルなピアノもいい味出している。
２曲目の「Barry's Bop」がハイトーンが決まって、以前持っていた「火を噴くような」という印象に最も近い演奏だ。
ただ、強烈なハイトーンではあるが、不思議と熱くなっていないところが、ナヴァロの特質なのかもしれない。
ここら辺、クリフォード・ブラウンが参考にしていたということが頷ける。
デクスター・ゴードンのセッションはリーダーがデックスのせいか、あまり出来がよくない。
リーダーだから表に出るのは当たり前だが、バランスが少し悪く、遠慮してくれと言いたい場面もある。
デクスター・ゴードンはほとんど聴いたことがない。
おそらく今回が初めてだろうと思う。
デックスはバップテナーという位置づけなのだろうが、このプレイを聴く限り、スイング系の色が濃い。
最後に収録された、エディ・ロックジョー・デイヴィスとの４曲の方がデックスとのセッションよりもノリがいい。
彼のテキサス・テナーとしての魅力全開という感じがする。
７０年ほどたっているので古のジャズと言っても不思議はないが、そんなに古くてもいまだに生き残っているのは、さすがにジャズならではだ。
全体を通して聴くと、寄せ集めのセッションで、ナヴァロの魅力が十全に発揮されたアルバムとは言い難い。
今とは収録時間が違うので無理な注文なのだが、「Nostalgia」のメンバーで全曲揃っていればと思わずにいられない。
個人的には代表作とはいえ、どうも不完全燃焼気味で、やはりブルーノート盤を聴かなければならないようだ。
録音は1946年から1947年にかけてで、さすがにダイナミックレンジは狭いものの、ノイズがなく、全く古さを感じさせない。
Fats Navarrro:Nostalgia(SAVOY COCB-53947)
1. Nostalgia
2. Barry's Bop
3. Be Bop Romp
4. Fats Blows
5. Dextivity
6. Dextrose
7. Dexter's Mood
8. Index
9. Stealing Trash
10. Hollerin' and Screamin'
11. Fracture
12. Calling Dr. Jazz
Fats Navarro(tp)
Charlie Rouse(tn 1-4)
Tadd Dameron(p 1-8)
Nelson Boyd(b 1-8)
Art Blakey(ds 1-4)
Dexter Gordon(tn 5-8)
Art Mardian(ds 5-8)
Eddie Davis(tn 9-12)
Heuy Long(g 9-12)
Al Haig(p 9-12)
Gene Ramey(b 9-12)
Denzil Best(ds 9-12)
Recorded Dec. 5th,1947(1-4),Dec. 22th,1974(5-8) and Dec. 18th ,1946
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Last updated
2015年07月19日 21時29分42秒
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