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カテゴリ:クラシック音楽
イタリア生まれのフランチェスカ・デゴ(1989-)によるヴァイオリン協奏曲集を聴く。 風呂に入っている時にSpotifyで流していたら、その情熱的な演奏にすっかり参ってしまった。 取り敢えずその時は高かったのでグラモフォンで録音していたストラヴィンスキーのアルバムをダウンロードして楽しんでいた。 しかし、ある日偶然にもeclassicalで半額で購入できることがわかり、迷うことなくダウンロードしてしまった。 調子に乗って、鈴木優人のバッハの平均律第1巻までダウンロードしてしまった。 デゴのヴァイオリンは細身だが、とにかく音が素晴らしく美しい。 作る音楽も明快で、作為的なところがなく、聴き手の耳にすんなりとはいってくる。 難解と思われるブゾーニの音楽もスカッとして精神衛生上まことに良い。 速い第3楽章も歯切れがよく、とんでもない速さのエンディングもすいすいと進みしかも爽やかだ。 ブラームスは前述のとおり情熱的だが、聴き手の心に沁みわたる演奏だ。 表情は濃厚ではないのだが、表現が的確で違和感は全くなし。 腑に落ちる演奏とはこういうことを言うのだろうか。 速めのテンポの第3楽章もラプソッディックな気分が横溢していて、ワクワクする。 ブラームスは第1楽章のカデンツァの前でティンパニがドロドロ鳴って、風景が一変してしまった。 びっくりして調べたら、ブゾーニのカデンツァだった。 この曲の録音の大半のカデンツァがヨアヒムのもので、例外はクレーメルが使ったレーガーくらいだと思っていたのだが、我々が耳にする機会がないだけでけっこうな数のカデンツァが存在するようだ。 こちらによると16種類もある。 ここにも書かれているが、それだけこの曲には魅力があるということなのだろう。 ブラームス: ヴァイオリン協奏曲 15の作曲家によるカデンツァ 聴きたいが残念ながら廃盤らしい。 ブゾーニは初めて聞いた。 シゲティが初演したそうだが、大変な難曲のようで、彼のyoutubeの演奏でもそれが感じられる。 バックはウクライナ生まれで5歳にフィンランドに移住したというダリア・スタセフスカ(1984-)の指揮するBBC交響楽団もデゴの演奏に倣ったのか、粘らず清々しい。 ただ、一部表現が固かったり、響きが整理されていないように感じられるところがあるのが惜しい。 スタセフスカの芸風としては、ヒンデミットの剛直な音楽のほうがあっている気がする。 ということで、ブラームスのヴァイオリン協奏曲を買ったのは本当に久しぶりだったが、耳タコの曲のはずなのだが、新鮮な気持ちで聞くことが出来た。 ブゾーニもなかなか楽しい曲で、これも爽やかだった。 シゲティのブゾーニ Francesca Dego:Brahms & Busoni: Violin Concertos(Chandos CHSA5333)24bit96kHz Flac 1.Busoni: Violin Concerto, Op. 35a 4.Brahms: Violin Concerto in D major, Op. 77 Francesca Dego (violin) BBC Symphony Orchestra Dalia Stasevska Recording venue Phoenix Concert Hall, Fairfield Halls, Croydon; 4 and 5 July 2023 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024年04月09日 14時49分26秒
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