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テーマ:世界を動かす国際金融(373)
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英国で亡命生活を送っている「オリガルヒ」ボリス・アブラモヴィッチ・ベレゾフスキーがウクライナ「オレンジ革命」の黒幕のひとりであることが先月になって明らかになりつつあるが(mosnews)、昨日26日の「ノーボスチ」の記事によると、ラトビアのカルヴィティス首相がボリス・ベレゾフスキーをペルソナ・ノン・グラータ(好ましくない人物)としてブラックリスト送りを決めたという。 このブラックリストに入っている他のロシア人は、ドミトリー・ロゴジン、自由民主党の指導者ウラジーミル・ジリノフスキーなどがいるという。 Latvian prime minister blacklists Berezovsky(ノーボスチ) http://en.rian.ru/world/20051026/41899380.html ラトビアでは政治的に、ベレゾフスキーを「好ましくない人物」だと認定したわけです。ベレゾフスキーはラトビアで何をしていたのだろうか。国家から「お前はペルソナ・ノン・グラータだ」と宣言されるなんてよほどのことでしょう。 ベレゾフスキーはチェチェンのバサエフ司令官にも資金援助していたといわれる人物であり、ホドルコフスキーのように自分もプーチン政権に逮捕されてしまうとわかると英国に逃亡した人物である。 7月には、ベレゾフスキーが同じ「オリガルヒ」仲間であったはずのロマン・アブラモヴィッチを「英国で」訴えると報じられていた。訴訟金額は75億ドルだとか。これはあれでしょう、例のミルハウス・キャピタルを通じてのシブネフチ株の売却などの件。シブネフチの設立者はベレゾフスキーですから。ベレゾフスキーは、「アブラモヴィッチから、テレビ局ORT、シブネフチ、ルサル・アルミニウムの株式を売却するように圧力をかけられた(脅迫された)」と述べていた。そして、アブラモヴィッチに命じたのはプーチン大統領であると非難したのです。 おそらくアブラモヴィッチがプーチンの圧力でシブネフチ株などをロシア政府に売却したのは間違いないと思う。以前も書いたように、だからこそアブラモヴィッチはホドルコフスキーのような“処分”にはあっていないのである。(アブラモヴィッチとホドルコフスキー) ベレゾフスキーはブラジルのサッカーチームに巨額の投資を行なっている(モスクワ・タイムス)。ご存知のように、アブラモヴィッチはチェルシーのオーナーである。そして、ベレゾフスキーはアブラモヴィッチに対する英国での訴訟について「賠償はチェルシーでということになるかもしれない」と語っていた。 ベレゾフスキーがなぜサッカーチームに投資している(興味を示している)のかその目的はよくわからないが、プーチン政権に協調的なアブラモヴィッチとうまくいっていないことは確かだろうと窺い知ることはできる。 ラトビアの話に戻すが、じつは先月だったと思うがブッシュ大統領の兄弟であるニール・ブッシュに会うためにベレゾフフスキーがラトビアに行くことを察したロシア政府は、「彼がロシアへ引き止められて、引き渡される」と言い「ロシアがラトビアからベレゾフスキーの拘留と送還を公式に要求した」と公表していた。ベレゾフスキーは2002年にロシアで起訴されているからね。これに対してラトビア政府は「英国に頼むべきである」としました。ベレゾフスキーは英国から政治的保護を受けているので、ラトビアとしては面倒を回避したかったのかもしれません。 8月には、ラトビアのテレビチャンネル(TV5チャンネル)をベレゾフスキーが買収した。そのときのモス・ニュースは、「ロシアの政治上の一勢力がラトビアを反プーチンの中心地にしたがっている」と書いていた。 MosNewsによるイメージ ラトビアを反プーチンの中心地にすることをベレゾフスキーが考えているのが本当なら、今回ラトビアがベレゾフスキーをペルソナ・ノン・グラータに認定しブラックリストに入れたことに納得がいく。 今後もロシアのオリガルヒには注目し、追っていくつもりである。 「ウィキペディア」にあったベレゾフスキーを転載しておく。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ボリス・アブラモヴィッチ・ベレゾフスキー(Boris Abramovich Berezovskii 1946年1月23日~)は、ロシアの企業家、政治家。応用数学博士。新興財閥(オリガルヒ)ロゴヴァズ(LogoVAZ)・グループの総帥。エリツィン時代に台頭した、ロシアの新興財閥(オリガルヒ)の代表的人物で、政界の黒幕とも称された。 1946年1月23日モスクワでユダヤ系ロシア人の家庭に生まれる。モスクワ林業技術大学を卒業し、森林学、次いで応用数学を研究して、応用数学博士号を取得する。1969年頃から研究員として管理研究所に勤務する。1983年ソ連科学アカデミー会員となる。 1989年ヴォルガ自動車工場とイタリアのロゴシステムに関係する自動車販売会社「ロゴヴァズ」を設立して社長に就任する。ロゴヴァズは、自動車製造企業から、自動車を購入し転売することで多くの利益を上げ、さらに国産車のみならず外国車の販売にも手を出し、メルセデス・ベンツ、ゼネラル・モータースなどの公認ディーラーとなった。巨利を手中にする一方で、ロシア・マフィアを中心にベレゾフスキーと敵対する者も多く、1994年に自動車が爆破されるなど、いくつかの暗殺未遂事件に遭遇している。 しかし、ベレゾフスキーは、その後も事業を拡大し、大手石油会社シブネフチ(シベリア石油会社)設立に奔走し、同社を買収し事実上、支配下に置いた。また、ソ連時代から国際航空会社として知られるアエロフロートなどロシア国内の優良企業の株式を矢継ぎ早に取得することに成功した。 さらに各企業に融資するために金融部門では、アフトバス銀行、統一銀行をグループ傘下におさめた。 ベレゾフスキーが最も力を入れた部門の一つに各メディアの買収が挙げられる。国営放送のロシア公共テレビ(ORT)民放のTV6、ロシア有数の経済誌であるコメルサント紙、ネザビシマヤ・ガゼータ(独立新聞)、週刊誌アガニョーク、ヴラスティなどを次々に支配下に置き、恣意的な世論形成を通じて、1996年の大統領選挙では、エリツィン再選に貢献した。この選挙を機にベレゾフスキーを始めとする新興財閥(オリガルヒ)が政権内で影響力を増し、「ファミリー」と呼ばれる側近グループを構成していく。ベレゾフスキー自身も1996年10月いわば論功行賞で、ロシア安全保障会議副書記に就任し、チェチェン問題を担当する。1997年同職を解任されるが、1998年4月CIS(独立国家共同体)執行書記に就任する。また、自分の影響力のある人物を政権に送り込み、政権運営に関与しエリツィン政権の「黒幕」とか「政商」の名をほしいままにした。 1998年9月にロシア金融危機の収拾のためにエフゲニー・プリマコフが首相に就任すると、政権の主導権を握ったプリマコフによって「ファミリー」に対し、圧力がかけられる。ベレゾフスキーも汚職を追及され、1999年3月にCIS執行書記を解任された。しかし、プリマコフの台頭を恐れたエリツィンがプリマコフを首相から解任したため、ベレゾフスキーは間もなく復権した。1999年下院国家会議選挙で、政権与党「統一」の結成と選挙戦にはベレゾフスキーから大量の資金が流れたと言われる。また、大統領選挙同様、ORTを使い「統一」の宣伝を強力に推進し「統一」の勝利に貢献した。ベレゾフスキー自身もカラチャイ・チェルケス共和国の小選挙区から立候補し当選した。下院議員としては、第ニ次チェチェン戦争に反対の立場を表明した。 2000年3月の大統領選挙では、ウラジーミル・プーチンを支持するが、プーチンは、逆に新興財閥の影響力を削ぎにかかる。ベレゾフスキーは、プーチンに対して反対勢力を糾合しようとするが、一般市民の間で「国賊」扱いされ、敵の多かったベレゾフスキーは賛同者を得られず、逆に同年7月下院議員を辞職。さらに2001年ベレゾフスキーは保有していたORTの株式49%を、ロマン・アブラモヴィッチに売却する形で放棄せざるを得なかった。ロシア最高検察庁は、アエロフロート資金の横領疑惑などでベレゾフスキーへの追及を強め、逮捕を恐れたベレゾフスキーは国外に脱出した。2002年10月、本人不在のまま、最高検察庁は、詐欺の罪でベレゾフスキーを起訴した。 ※ 関連 ソロスの資本主義改革論 http://blog.livedoor.jp/ayaka222a/archives/25111965.html プーチン大統領とユコス事件(2004年08月12日) http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200408120000/ プーチン大統領とユコス事件‥‥続き(2004年08月13日) http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200408130000/ ロシアの燃料エネルギー今後の見通し[2005:10:27 09:55] http://www.rian-japan.com/news/details.php?p=160&more=1 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
私見ですが、現在のロシアのプーチンのいかがわしさを感じて又底の浅さを知って余計に嫌いになりました。
これは中国の権力構造にも同様の感を覚えています。 いつも詳細な文書で感謝しております。 (2005年10月27日 22時03分22秒)
どうも、お久しぶりです。
新興財閥の総裁が今では、国を追われる身になってるとは・・・。 ある意味、プーチンの改革は徹底しているのでしょう。 方向性は逆ですが、小泉と共通するものを感じます。 ところで、以前、プーチンが中央銀行の改革を行おうとしているという話があったのですが。ロシアの中央銀行は独立しているのでしょうか? 知っている人がいたら教えてください。 (2005年10月28日 01時20分27秒)
政治圧力で新聞社売却へ ロシア政商、政権に屈服か 【モスクワ18日共同】ロシアメディアによると、プーチン政権と対立し英国に亡命中の政商ベレゾフスキー氏は17日、ロシア国内で「強力な政治圧力」がかかったことから、所有するロシア有力紙コメルサントをビジネスパートナーの友人に売却する方針を明らかにした。 メディアを通じロシアに影響力を残していた同氏が、メディア支配を進めるプーチン政権についに屈服したとの憶測も出ている。 同氏は「ロシアの現政権と意見が一致しない者がビジネスをするには、非常に大きな政治的リスクを伴う」と指摘。政治には関与していないグルジアに住む友人への売却を決めたという。 (共同通信) - 2月18日8時17分更新 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060218-00000056-kyodo-int (2006年02月18日 10時00分07秒) |
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