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Her's(ハーズ)奮闘記!

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2016年02月10日
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カテゴリ:主に医療者向け

我々の業界での「起業志向」は、一層加速しているように感じられます。

個人的には、自分自身も起業家ですし、これからの時代も考えると

法令遵守等、然るべき対応をきちんと取っていれば、何も問題視することはないのですが

近頃、どうにもこうにも気になって仕方ない事例をしばしば見受けるため

お馴染み「老婆心炸裂」で、ちょっと(長いですよ・汗)綴ってみようと思いました。



ちなみに、わたしがこの手の記事を書く時は

親心のような(まさに「老婆心」)不安や心配が一番のきっかけなので

特定の【誰か】の存在はありません。

けれども、「え?自分に言われてる?!」と感じる方がいらしたら

きっと、多かれ少なかれ【貴方】のことも含まれています。

なので、ちょっと立ち止まって考えてみる機会にしていただけると、嬉しいです。






我々は「治る」「良くなる」といった文言を使ってはいけません。

それは大前提として、仮にそれを一万歩くらい(苦笑)譲ったとしても

それでも尚、それはマズイけどなー。。。と思う場面にしばしば遭遇します。


概ね、起業したてから、3〜4年以内くらいの方に多いという印象が強いのですが

主に簡単な症例紹介とともに

・◯回(1回!というのが多い)の施術で良くなった!!(完治、改善、軽減、、)

・◯分の施術で激変した!!

・どこへ行っても(医療機関、整骨院、その他民間療法など)変わらなかったのに、ウチで治った!!

etc…



あのですね。

まず、それを否定しようとは思いません。

1回で良くなったのも、ほんの数分で良くなったのも、きっと事実なのでしょう。

どこへ行っても良くならなかったものを良く出来たのだって、嘘ではないのでしょう。

「その時は」ね。

でもね。

「その後」って、どうなった?



3ヶ月前に来られた患者様が、一発で良くなったとするでしょ。

その時は、感謝感激・神さま仏さまと崇められ。。。

確かに、患者さまも、心底そう思われたのでしょうし

患者さまのお役に立てたことに喜びを感じるのも、もっともだし

当然、自分の「ウデ」に自信も持てるよね。

で、その患者さまは、そこから1週間後、1ヶ月後、そして今。。。どんな経過を辿ってるの?

今の状態、知ってる?そこまで、責任持ってる??



例えば、ありがちな「腰痛」。

これって、一種の生活習慣病みたいなもんだよね。

日頃の好ましくない姿勢や活動状況の蓄積の結果、ってところが大きいよね。

一度の施術で、その時は良くなったとしても、悪しき習慣に逆戻りしたら、またぶり返すよね。



思うに、「ちゃんとしたところ(人)」は

そういったことも踏まえて、「完治させる」なんてこと、おいそれとは言わないんだよ。

言えないもん。「その後」は、患者さま自身に負うところが大きいんだから。

たとえ一過性に激変させられたとしても、人の身体は変わっていく、

まして、加齢、という現象は、万人に等しくもたらされるものなんだから

「その時」はともかく、「今後絶対」は、あり得ない。

それを知ってるから、ものすごく慎重に取り組んでる筈。



そもそも、その改善(完治??)が、100%そのセラピストのみによって実現出来たなんて

どこにそんな保証があるの?

もしかしたら、こちらには言わずに何日か前から飲み始めた薬の影響があったかも知れないじゃない。

たまたま、身体(自然治癒力)のタイミングと合致しただけかも知れないじゃない。

患者さまにとっては、そんな複合的な原因なんて、どうでもいいのよ。

とにかく、良くなれば、それが一番良いことであって

セラピストのウデのみである必要なんて、ないんだから。

ただ、最も成果に近いところに居たのが、たまたまセラピストだったから

その感謝を一身に浴びることになっただけに過ぎないんだから。





もう、何年前になるでしょうか、

わたしが、今よりもはるかに未熟だった頃、

その当時は、改善例ばかりで、自身も意気揚々としているところはありました。

誰よりも信用して応援してくれる夫は

「Her'sではこれだけ良くなる!って宣伝したら?」

と、業界外ならではの、善意からの意見をくれたものでしたが

それはしてはならないことだから、と、勿論しなかったとは言え

でも内心は「必ず良くできる!」という自負のような思いがあったのも事実でした。

しかし、経験を重ねるごとに、太刀打ちできない難治例と出会うことになります。

どうしても、セルフケアを心掛けてくださらない方もありました。

油断して、蜂窩織炎を発症させてしまい、振り出しに戻られる方もありました。

でも何よりも厄介だったのは、原疾患(=癌)そのものに関わる例です。

抗がん剤の副作用。

癌の転移・再発。

放射線治療の影響は、時間の経過とともにじわじわと現れてきます。

体質的なものもあいまってか、副作用がなかなか抜けず

入念なケアを重ねて「今回は、イケた!」と手応えを感じても

次回ご来室時には愕然とするほど、まったく元に戻ってしまっているケースや

通室を重ねられ、少しずつではあるものの、確実に状態が良くなられた方が

再発によって、見るみるうちに、最初の状態よりも悪くなっていったケースなど

どんなに手を尽くしても、わたしの「手」だけでは限界があることを思い知らされ

己の無力をこれでもかと叩き付けられたものです。



ただ、それはまだ、その経過を拝見していたケースについてです。

中には、卒業という形で通室を終えられ

しかし数年後、ふとしたことで亡くなられていたことを知った、というケースもありました。

通室を終えられてから亡くなられるまで、どのような経過を辿られたのか

わたしには知る由もありません。

願わくは、もうわたしを必要としないほど安定されていたと思いたい。

でも、がんの進行が顕著で、リンパ浮腫にかまけていられないほどだったのかも知れません。

或いは、Her'sでは良くならない、と見切りをつけられてしまっていたのかも知れません。

経過を知ることの出来ないケースが「その後」どうなったのか

自身で責任を持てない限り、滅多なことは言えない・言ってはならないと、強く感じました。





「必ず良くなる!」と豪語して

「その時」は実際に良くなったかも知れなくても、その後、また逆戻りするかも知れない。

逆戻りしたときに「どうしてくれうるの!?」と怒ってやって来られたら、恥ずかしくないですか?

でも、再度尋ねてきてくださったら、それはまだ、いいですよね。

その自慢の「ウデ」で、再度良くして差し上げれば良いじゃないですか。



問題は、【その後、二度といらっしゃらない方】ですよ。



「完治したから、来る必要が無くなった」その可能性も、否定はしません。

けれども「完治させると言ったのにしなかった、あんなとこ二度と行くもんか!」という可能性は?

最後まで追いかけることもなく(まぁ、全例の追跡なんて、ほぼ不可能だと思われますが)

「治る(戻らない)」なんて、そんな重大なこと、そんな簡単に言い放って、果たして本当に大丈夫??



たぶん、経験を重ねていったら、良くも悪くも挫折感を味わうことが出てきますよ。

お一人につき、長らく経過を拝見することが出来れば

「絶対」はない、ということを、嫌という程思い知るようになります。

そこで、自身の分を弁えて、謙虚になることが出来る、

これが、経験値というものです。



未熟だからこそ、虚勢を張りがちになるものです。

起業していれば、実際問題、多少の「ハッタリ」は必要です。

けれども、そこにばかり終始していると、トンデモナイ落とし穴にはまるかも知れませんよ?

まして、我々の職種は、ひとつの失敗が、文字通り「命取り」になりかねません。

大袈裟でなく、患者さまの人生背負ってるところもあるのです。





「ウデ」に自信がないと、起業しようなんて思い切れないでしょうから

少なくとも並以上の技量は持っているのでしょう。

でも、起業したからには、大局を見据えられないとダメだと、わたしは激しく思う次第です。

それは、取りも直さず、患者さまに責任を持つということであり

同時に、自分自身を守ることでもあります。

組織に属している時は、気付かないところで、その大きなチカラに庇護されています。

問題が起こっても、自分自身に至るまでに何重にも防波堤が存在します。

しかし、独立したら、あらゆる責任は、全て自分にかかってきます。

そのダメージは、自分一人を直撃します。

そして、業界や同業者に対して、補償しきれないほどの迷惑を及ぼすことにもなります。

自身のおかれた、危険極まりない立場を、しつこいくらいに見直して、胆に銘じて

謙虚に、真摯に、誠実に、真っ当に取り組んで欲しい。



先は長い筈です。

今、功を焦って走り過ぎたら、取り返しのつかないことになるかも知れませんよ。










ふと見返すと、10周年のご報告がきちんと出来ておらず。。。

実は、写真をアップしようとして、なぜかうまくいかず

試行錯誤を繰り返して、断念したまま放置だったことを思い出しました(汗)









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最終更新日  2016年02月11日 11時26分54秒
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