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カテゴリ:闘病記
9月の入院,S状結腸の手術から,12月までに6回の抗がん剤
治療が行われました。 がんが見つかったときには,年を越せないかもしれないと言われる くらいひどい状況でしたから,手術ができて,転移した肝臓の腫瘍も 小さくなってきているということは,奇跡のようなことでした。 しかし,6回の抗がん剤によって,toraの髪の毛はかなり抜けました。 いろいろな形の帽子を買ってきては,喜んでかぶっていました。 でも,女性にとって,髪の毛が抜け,皮膚のシミが増え, 指先もボロボロになることは,とても辛かったはずです。 髪の毛は,一旦ほとんど抜け落ちて,その後,少しずつ生えてきました。 つんつんした短い毛は,toraの生命力を象徴しているように思えました。 5回目の時には,全身をかきむしるような痛みに襲われました。 6回目の時には,かなりの吐き気に襲われ,強めの痛み止めを注射 しながら,なんとか耐えました。 「苦労をかけてゴメンね」とtoraは言うけれど,toraのいのちが続いて, 家族3人が一緒に暮らすための苦労なんだから,それは苦労ではないのです。 toraと一緒に暮らすための対価なのだから,それは苦労ではなく努力です。 なにより一番頑張っているのは,tora本人なんだから。 6回の抗がん剤で,腫瘍マーカーが800から40台に激減しました。 CTの結果でも,良い傾向が見られました。春には手術できそうです。 もう3人では迎えられないと思っていたクリスマスを迎えることができました。 我が家でのクリスマスパーティで,みんなで笑うことができました。 楽しいパーティなのに,toraが泣き始めました。 「まだ死にたくない。家族みんなで一緒にいたい。」 今は生きることだけ考えればいい。死ぬことは考えなくていいんだよ。 これからもずっと一緒にいられるから,泣かなくていいんだよ。 toraは,私たち家族にとって,なくてはならない人です。 神様,どうかtoraのいのちを奪わないでください。 クリスマスプレゼントは要りませんから,どうかお願いします。 ありふれた毎日,家族で一緒に笑うことができる時間, どれにも感謝することなく暮らしていますが,それがかけがえのない, とても愛おしいものだということに気づかされました。 できることならば,この家族がずっと続いてほしい。 ただただ,そう願うばかりでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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