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それでもなお平穏な日々

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May 17, 2005
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カテゴリ:社会
 主義・主張・思想に目が眩むあまり、自らの行動すら振り返られなくなるということがある。
特に自分が正しいと確信しているときに人はそういう状態になる。
目が眩む=一時的に視覚が麻痺する=盲人状態、という連想からかこういう状態を一般に盲信と言うのだろう。

 さて先日、私は盲信は「社会にとって危険」であるというエントリーを書いた。
だが言葉が足りなかったようだ。盲信は「盲信する個人」に対しても危険を招くのである。

 今日はその盲信から自己矛盾を犯してしまった人について述べ、なぜ「盲信は「盲信する個人」に対しても危険を招く」のかを相も変わらぬ長文で語ってみたいと思う。どうか見捨てずにおつきあいいただきたいと思う。

【以下本文】

(日本国憲法より)
第九章 改正
第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

 日本国憲法において憲法改正は上記の条文で規定されており、これを満たすことが出来るならば何ら違法性がないのは明白だ。
また同様に改正について考えることについても、なんら違法性が無いことは言うまでもない。
憲法解釈の曖昧さ以前の「条項の有無」という問題だから疑義を挟む余地はあるまい。
更に書き加えるならば、日本においては思想・信条の自由が保証されており、その思想・信条を具体的な行動に移さない限り何ら違法性を帯びるものではない。また仮に行動に移してもそれが各種法に触れることがなければ全く問題ないのは衆知の通りである。
(ただし自衛官は自衛隊法において政治結社・政党活動等への関与は禁止されている。理由は言うまでもない)

 だが盲信に捕らわれてしまった人にとっては憲法に明確にうたわれている「憲法改正」すらも違法に映るようである。
以下は昨日も取り上げさせていただいたブログ「沙羅双樹」管理人興禅氏の「命のための会議場」におけるご当人の発言からの引用である。

【引用】
>しかもあなたは改憲論者のようですね、私の護憲の主張に難癖をつけてくるということは。自衛官であるならば憲法及び自衛隊法の定めるところにより日本国憲法を遵守しなければなりません。

 この文だけ見れば特におかしなところはない。(難癖という語句については問わないことにしよう)
ちなみに私が現職自衛官であることは既に諸所で明言しており、これについて何かを言われることは別に気にならない。
また自衛官でなくとも「日本国民ならば日本国憲法を遵守する」ことは当然であり、そこもおかしくはない。
改憲論者といきなり決めつけられているが、私は現行憲法は21世紀の現代には合致しないと考えており、そういう意味での改憲は賛成であり、改憲論者といわれても何もおかしくはないし不都合にも感じない。

だが・・・これに続く次の文で興禅氏の論はいきなり破綻するのである。

【引用】
>それができないあなたは自衛官としては不適格です。威勢のいいことを述べる前に、自らの恥を知りなさい。

 自衛官が不適格と判定されるのは各種法を守れなかった場合、犯罪を犯した場合、自衛隊内の規則に違反した場合などである。
(いずれも自衛隊法に明記されている)
では今回の件はこれに該当するのだろうか。
文脈を見る限りの氏の論法はこうである。(なおカッコ内は私からの反論である)

1.護憲に対して反対意見を述べる
↓(特に問題はなし)
2.これは憲法を遵守していない
↓(護憲、すなわち憲法改正反対に対して意見を述べることが
↓憲法違反であると興禅氏は考えているようである。だが憲法
↓の何条を遵守していないのか示されていないし、そもそも憲
↓法改正は違法ではないことは既に述べた。同様に自衛隊法の
↓政治的活動の禁止についても既に述べており、本件は該当し
↓ない)
3.よって自衛官として不適格である
↓(上記のカッコ内の理由から、本件からは不適格と判断でき
↓る法的根拠は一切存在しない。)
↓(氏自身の言葉を借りるなら「何の根拠もないことですね。
↓こういうのを誹謗・中傷というのですよ。」と言うこともできる)
4.恥を知りなさい
 (以上の理由によりそもそも「恥」になるようなことは一切行っていない。)

 順を追ってみれば第2項で大きく論理が破綻していることがわかるだろう。
第3項、第4項は上記第2項の誤謬による論理の破綻が大きく広がったものであるから、第2項の誤りを正せば普通はなくなるので、本稿で深く追求する必要はない。(私個人に向けられたもので、氏の思考法を類推するには影響がないからでもある)
では上記第2項のような論理の破綻は何を原因としているのだろうか。その答えは簡単である。
「盲信」である。
 興禅氏は自称護憲派(なぜ自称なのかは後述する)であり、「憲法に反する行為=違憲」であると考えている。
氏が護憲派を名乗るのは自由だし、憲法に反する行為が違憲であることという部分は問題ない。
 ただし、氏には上記に記したような憲法に関する根本的な理解・知識不足と、自分は絶対間違っていないという根拠無き盲信があり、そこから「自称護憲派である自分に対する反対意見=違憲=自衛官として不適格」と論理が飛躍したわけである。こういった理解不足・思いこみは興禅氏の意見の多くにみられる特徴でもある。
彼にとっては「自民党による憲法改正」は内容如何にかかわらず間違った行為であり(この点についてはAl Kazart氏が興禅氏の発言を引用してそうとしか取れないことを説明し、ピレネー山脈氏、G.N.氏ともにその発言がそう取れるという点では反論をしていない。またこのコメントに対する興禅氏自身の説明はない)、それ故今回の改憲自体を単に「自民党だから」という理由だけで否定するわけである。興禅氏は色々細かく理由を書いてはいるが、それらはたった一言で要約できてしまうわけだ。
 この点において「命のための会議場」の共同発起人の一人であるG.N.氏の発言にある「憲法の1~8条削除といった改憲ならば賛成できる」という部分は、今回の改憲案への彼の反対が自らの思想・信条に基づいたものであり、そのスタンスを堅持しているのとは大きく異なっている。(彼は侵略戦争と天皇制をまず否定するスタンスを一貫しているように私からは見える)
もちろんG.N.氏の思想・信条は私のものとは一部大きく異なっており、現状では個人として賛意を示す気にはなれないが、それでもG.N.氏の主張は論理的には首尾一貫しており、そういった点では理解できる一見解となっていることは間違いない。

 話が少しそれた。元に戻そう。
私は興禅氏が「自称」護憲派であると書いた。氏にしてみれば「とんでもない。自分は明確に憲法を護ろうとしている」と言いたいところだろうが、残念ながらそれは氏自身の発言が否定しているのである。

【引用】
>しかもあなたは改憲論者のようですね、私の護憲の主張に難癖をつけてくるということは。自衛官であるならば憲法及び自衛隊法の定めるところにより日本国憲法を遵守しなければなりません。それができないあなたは自衛官としては不適格です。威勢のいいことを述べる前に、自らの恥を知りなさい。

 再び同じ引用である。
本質的な意味では護憲と法の遵守はイコールではないが、本稿においては興禅氏の自己矛盾を明らかにするためにあえて氏の定義を用いることをご了承願いたい。
また上記引用中では氏は私に対してこの意見を述べているため、文中に「自衛官」「自衛隊法」という記述部分があるが、日本国憲法の遵守は日本国民にとって共通普遍の義務であることを考えた上で、感情的な語句を除いて氏の論理の純粋なエッセンスを取り出し整理すれば以下のようになるだろう。

「私の護憲の主張に反対する人は改憲論者です。」
 ↑護憲に反対する=改憲賛成であるという認識は一概に間違ってはいない。
「そして日本国民であるならば日本国憲法を遵守しなければなりません。」
 ↑自衛官を日本国民と読みかえ(憲法遵守については前述)、かつ自衛官にのみ関係する自衛隊法の記述を削除した。
「改憲賛成論者は違法です。」
 ↑氏の発言、「あなたは改憲論者である」「自衛官として不適格である」の双方の条件を満たすように考えればこうなる。
(後半部にある「威勢の~」以降の部分は私個人に対する氏の個人的意見であるのでここでは割愛する)

こうして氏の主張・思考過程の根底で「護憲=憲法(法)の遵守」という図式が成り立っていることがわかる。

さて、ここで「命のための会議場」の設置場所となっている興禅氏のブログ「沙羅双樹」の記事を見ていただきたい。

 http://plaza.rakuten.co.jp/kouzen/

 氏は日本の国内法において原則として行っては「ならない」とされている「法の遡及摘要」を是とし、これを公言した上で現行法を事故の主観で解釈し昭和天皇の過去の行為を追求(最新の記事では「裁く」と記述)しようとしている。

〔日本国憲法より抜粋 遡及処罰、二重処罰等の禁止〕
第39条 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。

 氏は憲法(大日本帝国憲法あるいは日本国憲法の双方)に規定のない罪で天皇を裁くと公言している。日本では個人が個人を裁くことは法的に許されていない。

〔日本国憲法より抜粋 司法権の機関と裁判官の職務上の独立〕
第76条 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。


 上記の例から見る限り興禅氏自身が憲法を遵守する姿勢がないのが読みとれる。
そして氏自身の論理で行けば、それは「護憲ではない」ということにほかならない、彼自身はその矛盾に気づいてもいないようであるが。
こういった興禅氏の論理の破綻、ダブルスタンダードは私以外の論者からも数多く指摘されているが、氏自身からの論理だった説明・釈明・解説はされていない。
 なぜできないのか。
それは興禅氏がそれを間違ったことだと認識していないからである。
それこそが「盲信」に他ならない。そしてそれは本稿で引用し解説した氏の「命のための会議場」における発言からも明らかになったところである。

 そろそろまとめに入ろうと思う。
私は本稿の冒頭で「盲信は「盲信する個人」に対しても危険」と書いた。
では興禅氏にとってこの盲信はいかなる危険を及ぼすだろうか。
氏が盲信に頼った論述スタイルを続けた場合、それは氏と本来は趣旨を同じくする他者にも刃を向ける可能性がある。
(実際G.N.氏は「命のための会議場」において自衛隊の存在意義を否定しておらず、現行法上での防衛出動を行うべきである旨の発言を行っている。これは武器を持つだけで信頼しないという興禅氏のスタンスとは全く異なっている)
こういった姿勢が長く続けば、いつか意見の衝突から興禅氏が同じ共同発起人の中ですら孤立してしまう可能性すら否定できない。

 人は一人では生きられない。
この言葉の意味を理解できなければ、盲信の危険性は理解できないだろう。
 自らの絶対性を盲信することは他者の排斥につながる。
だがそれは他者からの排斥を呼び込むことになることを自覚しなければならないのである。






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Last updated  May 18, 2005 01:57:21 AM
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