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カテゴリ:将棋
第24期竜王戦中継-TOPページ-
竜王戦第2局は▲丸山△渡辺でノーマル角換わり腰掛け銀。 22手目の△3三銀は渡辺竜王得意の手法。通常は先手の▲2五歩を待って△3三銀を上がるが、渡辺竜王は▲2五歩とされる前でも△3三銀と上がる指し方をする。 去年の羽生さんとの竜王戦第6局や今年の銀河戦決勝の糸谷さんとの将棋でも▲2五歩の前に△3三銀としている。 早く△3三銀とすると先手には▲2五桂と▲2五歩の両方の権利があるので、後手としては銀を4二のまま駒組みを進めて(▲2五桂が銀取りにならないように)おいて▲2五歩に△3三銀と上がって先後同型の展開がこれまでは多いかなというところ。 △6五歩の位取りも後手の一連の作戦のようでした。ここの位を取ると△6四角と打つ展開が時々あってこの将棋もそうなりました。 もっとも位を取らずに▲6六歩と突かせてどこかで△6五歩とぶつけて仕掛ける指し方もあるところ。 しばらく進んで△4二金右は玉を固める手で、▲4七金は陣形のバランスを重視した手。 後手は△7四歩△7三桂型ではないので桂頭や飛のコビンに不安がないので固められる。先手は▲3七桂としているので▲6八金右だと△5九角(銀)のような傷もあるし、▲2五桂とした時に△3七角の傷があるのでそれを防ぐ狙い。 このあたりはまあいい勝負なんでしょう。角換わりはやらないのでわかりませんが(笑) ▲2五歩では▲2五桂としたいが、△2四銀の後の先手の動き方が難しい。4筋の飛の前に金がいる関係で▲4五歩の筋もなかなか難しいですしね。 この辺りはお互い細かい駆け引きというところでしょう。 △1二香は渡辺竜王らしい手。ただしここで仕掛けられるとこの香上がりがマイナスになる可能性もあるので(1筋を攻められた時に香上がりが損になる可能性がある)思い切った手。 先手は桂を4五に跳ねだして▲4六歩で次に▲2八飛から▲2四歩の狙い。 △6四角はその防ぎだが、この角は狭いので先手に一歩あると▲6六歩△同歩▲6五歩の筋があるのでこれまた思い切った手段。 △3三桂~△2五桂は上部を広くしに行く手段。先手の▲1五歩~▲3五歩もギリギリの利かしというところか。 封じ手は△3五同銀。△1七桂成もあったが▲3四歩とされると▲2六角と▲6六歩の手段が残るので(すぐに▲3三歩成は味消し)指しづらかったのかもしれないところ。 ▲6六歩は後手の狭い角を狙った手だが、△8六歩が後手の反撃手段で▲同銀は銀が質駒になるし、本譜▲同歩も△8七歩の叩きや△8五歩▲同歩△9三桂の筋ができる。 △1七桂成で後手が香得。自分は駒得や入玉は意識する方なのでここでは既に後手持ち(実際の形勢はわかりませんけどね)。 △8七歩の叩きが先の8筋突き捨ての効果で、飛を取って△6九飛が厳しい。 △6五歩の叩きも大きく、△5三金と成桂を外した所は▲銀△桂桂香の3枚換え。 駒得が大きいのでここは後手が良さそう。先手は後手陣にと金を最低1枚作ってないと割りに合わない感じ。 ▲3二銀から薄くして▲7一角は待望の反撃手段だが、△8二飛は竜のヒモがついているのでさほど気にする必要はない感じ。 △8九竜は▲7八金を狙った手で△5八銀を見ている。 ▲5五銀は上部脱出を狙いつつ後手玉に駒を近づける攻防手段だが、後手は読みきっている雰囲気で△5八銀~△7八竜で先手玉は詰めろ。 ▲8二角成と飛をはずしても△6七竜~△6五竜~△7四銀の筋で詰みがあるので、先手は▲4三角成と角を切って▲4四金打から上部を厚くして最後のお願いというところ。 △4一玉では少しでも遠く△2一玉としたいが、どうせ▲8二角成で受けなしになるのは同じ。ならば△4一玉の方が先手玉を詰ますのに役立つだろうという逃げ方。玉は時には拠点や攻め駒のような働きすることがありますからね。 最後は先手玉が広そうだが竜を切っていって詰み。 投了図からは▲5四玉に△6五角と打たれて詰みがある。△4一玉の効果で△6五角に▲5三玉は△6三金で詰む(△2一玉型だと▲5二玉)。 これで渡辺竜王が2連勝。次が先手番なので次勝てばほぼ防衛という感じでしょうか。 丸山九段としては苦しいですが、次後手番で1つ返せるとさらにその次が先手番なので流れが変わる可能性はあるでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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