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カテゴリ:ミステリ
(著者:小鷹信光|出版社:幻冬舎文庫|発行年月:2001年10月) なぜこのシリーズを読むのか。 それは、あのテレビドラマと松田優作の幻影を追っているからだ。 表紙も明らかにテレビの工藤俊作、すなわち松田優作である。 しかし、読んでいるうちに、これはテレビとは全く関係のない話だということはわかる。いや、読む前からわかっている。 それでも幻影を求めて読むのだ。 読んで、全く違うからと言ってがっかりするかというと、そういうことはない。 面白かった。 舞台はアメリカとメキシコの国境地帯。 人捜しの仕事をしていた主人公は、思わぬ事件に巻き込まれてしまう。 n何もしなくても国境を合法的に越えられるところを、「少しでも早く」という理由で非合法に越える場面がある。 ある集まりに間に合うようにということなのだが、「国境のコヨーテ」に関わるためにはこれが必要なのだ。 文体はあえて翻訳調にしてある。 長さの単位はフィートやマイル。 「ペッカリー(ヘソイノシシ)のようにずんぐりした左の男は左手を、ビッグホーン・シープ(オオツノヒツジ)のようにひょろっと首の長い男は右手を」(p48) というところなど、意識してこうしているのだろう。 このシリーズでまだ読んでいないのはあと1冊。 残さず読みたいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.05.19 23:55:14
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