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テーマ:がんを克服する(297)
カテゴリ:心・体・健康・病気・障害
がんセンターに入院して気づいたが、各階に「ご意見に対する対応等」というファイルが置いてあった。
「患者サービス向上委員会」と書いてある。 病院利用者の声に回答しているものなのだが、読んでみたらこれが興味深い。入院している間に全部読んだ。 まず目を引いたのがこれ。 今に始まった事ではないが、この地域(埼玉・茨城・千葉)の人たちは、ルール(すべてにおいての)が守れない。マナーが悪いと言われている事をご存じでしたか?○○ナンバーは気をつけた方がよいとよく聞かされたものです。 この人が怒っている事はわかるし、病院のルールを守るべきだという主張に異存はないのだが、これを病院に向けて書いてどうするのだろう。ここの病院に入院してよくわかりました。起床時間前から枕元の電気をつけて新聞を読んでみたり、就寝時間後に夜遅くまでTVをつけていたり。朝早くから通路から聞こえてくる、女性の大きな声の世間話、トイレが誰が汚したか知らないが使用したら、使用しっぱなし。その他にも・・・。病院にいる以上は病院のルールをしっかり守っていただきたい。(入院患者 40才代 男性) ルールが守れないとしても、その原因が病院にあるわけではない。ところが病院側はこれに対してこう答えている。 ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。現在も入院時に入院中の決まりについてオリエンテーションをしておりますが、理解が得られるようオリエンテーション内容を検討してまいります。 病院に原因がないことなのにずいぶん低姿勢だ。クレームへの対応のマニュアルがあるのだろうか。あまりにも病院側が気の毒だ。 こんなのもあった。 食事がまずい。工夫がない。業者を変えろ。(入院家族 60才代 男性) 抽象的すぎて、不満があるということしかわからない。「まずい」というのは、味付けが濃いのか、薄いのか、固いのか柔らかいのか、甘いのかしょっぱいのか、何が不満なのか全くわからない。しかも、書いたのが患者本人ではなく「家族」というのも不思議。家族が患者の食事を食べているのだろうか。 これに対して病院側はこう答えている。 ご意見ありがとうございます。 まあ、こうしか言いようがないよなあ。担当者のご意見を伝えました。 他にも、いろいろな苦情があった。もちろん、感謝の言葉を書いたものもたくさんあった。 これを読んで考えたのは、「なぜこんなことを書くのか」ということだ。 私なりに考えた理由は一つ。 ひとつは、何らかの障害・疾病によるもの(パーソナリティ障害など)。他人を批判することで、「自分はこんなに人を批判しているのだから、自分は正しい」と考える人は多い。インターネットの書き込みを見ればわかる。また、他人に不快な思いをさせることによろこびを感じるタイプの人はいる。 もうひとつは、不安の紛らすため。 入院患者は全員がんだ。私ももちろんそうだ。がんの種類もステージもひとそれぞれだが、治らないのではないか、手術で取り除くことができても再発するのではないか。そういう不安を抱えている。 その不安を、他人に怒りをぶつけることでごまかそうとしているのではないだろうか。 入院中はこう考えたのだが、退院してしばらくすると、違う可能性を考えついた。 退院した時は、ずいぶん早く退院させるな、と思ったが、退院した方が、がん以外のことに意識が散って、自分のことばかり考えなくて済む。 私の場合、入院中は、胸の痛みが気になったが、退院したら気にならなくなった。入院中は、食事を飲み込むと痛むのではないか、ゲップをすると痛むということばかり考えていた。 クレームを書く人も、自分や入院中の家族のことばかり考えるようになり、気持ちに余裕がなくなってしまったのだろう。その結果、全く論理性のないクレームを書くようになったのではないだろうか。 前 後 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.01.02 14:22:35
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