何度も見ている。今回は、昨年、BSで再放送された「さらば浪人」を見たばかりなので、いろいろ比較してしまう。
主人公の年齢設定としては、「さらば浪人」の方が原作に近い気がする。
映画を見て原作を読み直した。
原作にはない、藩主に身の上を語る場面の、道場破りの振りをしてすぐに「参った」と言って金品をもらう、というのは、原作にはない。これは中里介山の「
日本武術神妙記」で紹介されている話。これを取り入れたのか、共通する出所があるのかはわからない。
三船敏郎の息子や黒澤明の孫を出演させ、黒澤明追悼の映画となっているが、無理を感じない。
上映時間は91分と短い。おそらく、黒澤明はもっとエピソードを増やして長くするつもりだったのではないかと思うのだが、勝手に膨らませることをせず、黒沢の残したものだけで映画化したことで成功している。