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非常に適当な本と映画のページ

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2005.08.04
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カテゴリ:洋書

 イギリスの児童作家ルイスによる全七巻から成る小説シリーズ「ナルニア物語」の第五巻。
 子供達が日常の世界から魔法の国ナルニアへ突然飛ばされ、様々な冒険をした後また日常の世界へ戻る、という物語。


粗筋

 エドマンドとルーシーの兄妹は、以前ナルニアに行ったことがあった。両親が仕事で家を長期間離れることになった為、二人は叔母の家に預けられる。そこには従弟のユースタスがいた。
 ユースタスは、親の影響もあり、歳の割には現実主義だった為、従兄妹らが語るナルニアの冒険などまるで信じない。そのことからエドマンドとルーシーに煙たがられる。
 ユースタスの家には船の絵があった。それの船はナルニアのものに似ていた。エドマンドとルーシーとユースタスは、それを眺めている内に中に引き込まれ、ナルニアの世界に飛んでいた。
 三人は絵に描かれていた船に救出された。その船で、エドマンドとルーシーはナルニアの少年国王キャスピアンと再会する。
 キャスピアンは、自分の航行について述べる。昔、キャスピアンの父であった前国王は、七人の勇者を東の海に派遣した。が、その七人は戻ってこなかった。キャスピアンは七人の勇者の行方を探し、世界の端を自ら確認するつもりでいた。
 エドモンドとルーシーは航行に参加することにする。ユースタスは嫌がったが、元の世界に帰る手だてがない為、同行するしかなかった。
 途中、一行は奴隷取引が行われている島で奴隷として売られそうになったり、ドラゴンと遭遇したり(ユースタスは魔法によりドラゴンへ変わってしまう。ナルニアの伝説のライオン・アズランによって元に戻される。勇者の一人もドラゴンになっていた)、浸ったものを全て金に変えてしまう湖に遭遇したり(湖底に勇者の一人が金の像となって沈んでいた)、透明人間のいる城に入ったり、魔法使いと会ったりする。
 一行は、その過程で七人の勇者の行方を全て知った。キャスピアンは、将来妃にする魔法使いの娘と会う。
 エドマンドと、ルーシーと、ユースタスは、アズランの魔法により元の世界に帰る。
 ユースタスは、帰還後嫌味な性格が丸くなっていた。そのことで彼の母親は「普通の子になってしまった」と嘆き、その原因であろうと見た甥と姪を恨むことになる。



解説

 ……ナルニア物語には苦い思い出がある。
 日本語の小説は小学生からずっと読んでいたのに、英語の小説は読まず嫌いで高校に入るまで読まなかった。その原因となったシリーズの一つなのだ(もう一つはアレキサンダー著のプリデイン物語)。
 本シリーズは、小学六年生の時(自分は北米にいた)、学校の教材として使われていたのだ。無論、洋書である。当時はまだ英語が達者とは言えず、読解力が低かったので苦労した。その結果、洋書は「難解なもの」と見なすようになり、読まず嫌いになってしまったのである。
 現在読み返してみると、「難解だ」と決め付けてしまったのも無理もないように思える。
 魔法の国や、人間の言葉を喋る動物や、ドラゴンや、魔法使いなどが出ていて、口絵が多くあるので、児童書であることは確かだが、発表された1952年当時はともかく、現在の視点では「古典」となっている。イギリスで書かれた本ということもあって、古臭い上に小難しく、理解し難い文体なのだ。
 大人(と自分をそう思いたい)でもなかなか頭に入り難い文体なのである。
 本の大部分は小説というより粗筋をいくらか肉付けした説明文を読まされている感じで、途中でだれるのも問題。
 190ページなので、決して分厚い訳ではないのに、二倍の長さを読まされた感じ。様々なエピソードを盛り込み過ぎている。もう少し整理してほしい。
 200年前の小説の文体と、100年前の小説の文体と、50年前の小説の文体と、現在の小説の文体は、それぞれ異なる。同じ言語で書かれていても、時代が全く異なるのだ。当然である。
 本シリーズも最初に出版された時は児童書だったのかも知れないが、現在の視点からすれば「古典」同然(キャラの価値観も現在からすると首を捻りたくなる部分が多い)。この手の本の良さは大人にならないと分からなくなってしまっている(自分のように、大人になったら大人になったで理解できないかも)。こんなのを読解力に乏しい子供に「児童書だから」「名作だから」といって押し付けると、本嫌いを生み出すだけになるだろう。
 現在もこのシリーズが教材として使われているかは不明だが、もしそうなら中止して、現代物に切り替えるべきである。さもないと、活字離れがますます進む気がする。



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Last updated  2005.08.04 14:50:59
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