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カテゴリ:小説/物語
高校1年の秋、、、
家である探し物をしていてた私は父の給与明細書を見つけた。 2年ほど前のものだった。 その額面を見て驚いた。 それまでなんだかんだ言いながら、我が家はそんなに貧しくないと思っていた。 でも他の友達の家よりいつも少しお金を節約しなければならないのは、3人も子供がいるからだと思っていた。 しかし違ったのだ。 2年前の父の給料の手取り額は、高校生の私が夏休み中アルバイトに明け暮れて稼いだ額に及んでいなかった。 もちろん父のは社会保険料や年金や各種税金も天引きされた金額で、私のは何も天引きされていない額だということも分かっていた。 それでも驚いた。 母はこの額の収入をやりくりして我々3人の子供を育ててきたのだ。 なのに、、、 なのにあの何ヵ月か後、、、 私が不機嫌に半分のバナナを食べたあの日から何か月か後、、、 母は私を近所の農協に連れていった。 そこで注文して取り寄せた一房のバナナを受け取ってお金を払った。 私はびっくりして歓喜した! 「今度はぎょうさん食べれるで」と母は笑顔を見せた。 あの一房のバナナはいくらしたのだろう。 またあのときの父の月収はいくらだったのだろう。 それを思うと、有難さと申し訳なさで頭がいっぱいになった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.03.15 01:27:59
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