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カテゴリ:小説/物語
こんなことが数えきれないほど、瞬時にして頭を過った。
その中でも一番私を愕然とさせた思い出があった。 その他のどの記憶よりも鮮明に覚えていなければならないものなのに、私はこのことをしばらくの間忘れたまま生きてきていたことに愕然とさせられた。 あれは高2の夏だった。 私はふと母方の祖母について知りたくなって、どんな人であったのか母に聞いたことがあった。 私が幼少の頃から、母は自分の母親のことをたまに話してくれていた。 母は自分の母親のことが大好きで尊敬もしていたことも私は知っていた。 しかし私が生まれる前に他界した祖母の詳しい話を知りたくなったのだ。 母は1時間ほどの時間をかけていろいろ話してくれた。 そして祖母か大阪で他界したとき、我々一家は兵庫県の豊岡にいたので母は葬儀に出席できなかったことをはじめて聞いた。 その日は「ふ~ん、残念やったな。」といった感じで聞いていたのだが、翌日はっとした! 年代を計算してみると、祖母が他界したのは私が生まれた年であることに気付いた。 祖母の他界が4月末、 私が生まれたのが5月末、、、。 そういえば随分昔父が「お母ちゃんのお母ちゃんが亡くなったとき、わしは一人で豊岡から大阪まで葬儀に行って大変やった。」なんてことを言っていた記憶もよみがえってきた。 その何日か後、私は母にそれを話してみた。 すると、 やはり母が祖母の葬儀に出席できなかったのは、私がお腹にいて臨月を迎えていたため医師からストップがかかったからだった。 その事実を私はあのときはじめて聞かされたのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.03.25 02:25:27
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