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カテゴリ:小説/物語
結論なんか出ない不毛な思考を巡らせていたら、気づけばお昼前になっていた。
私は義務的に身支度を整えて、レポートをカバンに入れてバイクに大学に向かった。 そのまま学食等で昼食を済ませる手もあったが、私はレポートを教授に提出したらすぐに帰宅した。 徒歩で大学を往復でもすれば少しは体も温かくなったであろうが、防寒対策をしているとは言え冬の寒空の中をバイクで往復すると身体は冷え切ってしまう。 その状態で帰宅して、冷たいままのチキンハンバーグを冷たいままのご飯と共に食してみた。 部屋に暖房をつけずに食してみた。 冷ご飯の上に、ヨレヨレになった袋をあけて冷たいハンバーグを乗せた。 そして最初に箸でひと口サイズに割ったハンバーグを口に入れてみた。 あのときほど、 小学1年生の冬ほど冷たくは感じなかった。 しかしもちろん冷たかった。 懐かしい。 懐かしい感覚だった。 まずハンバーグを乗せた舌に冷たさが伝わる。 咀嚼すると歯にも冷たさが伝わる。 それでもしばらくすると口の中の体温で、少しハンバーグが温まったように感じてくる。 しかしそれを呑み込んでみると、やはり冷たい。 その冷たいものが、食道を伝って胃に到着する。 寒いときに冷たいものを胃にいれると、一瞬ブルっと身震いする。 それをひたすら繰り返す。 繰り返せば繰り返すほど、体温が低下していく感じがする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.03.31 03:13:11
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