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カテゴリ:小説/物語
幕末、、、
1859年10月27日早朝。 幕府を批判したとの罪で1人の青年が斬首された。 29歳だったその人物の名は吉田寅次郎、、、吉田松陰といったほうがピンとくる人が多いだろう。 彼は武士として切腹を命じられたのではなく、罪人として斬首となった。 彼はその朝辞世の句を残した。 一説によると、武士としての切腹ではなかったので辞世を詠むことは許されなかったが、牢の門番の計らいで愛用の硯と筆が持ち込まれたため句を残すことができたとも言われている。 『身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬも とどめおかまし大和魂』 彼の辞世の句はあまりにも有名だ。 この句を目にした彼の弟子たちは、悔し涙を滝のように流しながら、彼の首と身体を棺に納めて埋葬したという。 そしてその弟子たちが中心となって時代は倒幕へと大きく動き、約9年後に江戸時代が終わりを告げる。 しかし彼がもう一句の辞世を残していることはあまり知られていない。 その句は郷里の長州藩(現・山口県)にいる両親に宛てたものであった。 その句からは、先ほどの句から感じられる勇ましさや潔さは感じられず、彼の人間としての本心が伺えるものであった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.04.08 03:18:18
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