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照千一隅(保守の精神)

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「照千一隅(しょうせんいちぐう)」(一隅を守り、千里を照らす)は伝教大師・最澄の言葉。本を読み、考えたことをこのブログに書いて参ります。ご意見、ご感想など御座いましたら是非お寄せください。

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2013.02.24
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カテゴリ:教育
「教育再生実行会議」(座長・鎌田薫早大総長)の初会合において安倍首相は「強い日本を取り戻すため、教育再生は不可欠だ」と述べた。この「強い日本」という言葉に元文部科学省官僚の寺脇研・京都造形芸術大芸術学部教授が反応した。

「『世界の一等国でありたい、それがダメでもせめてアジアで一番でいたい』ということでしょう。明治時代からの日本の願望です…富国強兵時代、あるいは高度成長期の教育という印象です。けれど、世界の大国になろうとして無理をした結果が戦争であり、エコノミックアニマルだった。また同じ道を歩むのか」(2月12日付毎日新聞夕刊)

 安倍首相がスローガンよろしく「取り戻す」という言葉にこだわりすぎているためにこのような批判を招き寄せてしまっているのであるが、そのことが分かっていながらこのような批判するのは単に安倍氏が嫌いだからであろう。

 おそらく安倍氏は過去の具体的イメージを思い浮かべて<強い日本を取り戻す>と言っているのではなく、もっと抽象的にそう言っているのだろうと思われる。

 さらに東京大学の本田由紀教授(教育社会学)は言う。

「安倍首相が『取り戻し』たいのは、彼の思い描く『美しい国』。国民が皆、私の思うような人間になってくれればそうなるはずだ、という思い込みが、彼を教育再生へと駆り立てているように見えます」(同)

 悪意を込めた言い方であるが、安倍氏が主張する「美しい国」は、安倍晋三著『美しい国へ』(文春新書)を読んだ限りにおいて、単に安倍氏のものというよりももっと普遍的なものだと思われる。日本を「美しい国」にしようとすることに異論を唱えること自体異様であり、これまた単に安倍氏が嫌いだからこのような批判を行うのであろうと思われる。

 本田女史は言う。

「道徳を名目に国家が人の心の中に踏み込もうとしている。しかし『このような人物であれ』と画一的な人物像を押しつけるのは教育ではありません。子供の多様性や主体性を可能な限り尊重すべきです。新しいアイデアや意外な発想を生かしてこそ、社会の活力の源になるはずなのに」(同)

 私に言わせれば、<子供の多様性や主体性を可能な限り尊重すべき>という戦後教育に見られた画一性がむしろ日本人を堕落させてしまったのだと思われる。

 子供の多様性や主体性と道徳は背反するものではなく、むしろ文化や伝統を基にした道徳を身に付けることで、子供の多様性や主体性が確固としたものと成り得るのではないか。

 現在のように日本の文化や伝統を否定し、道徳を個性を抑圧するものと考えていることが、いかなる理想も「根無し草」となり身を結ばないようになってしまっているのではないか。

「授業時間を増やし、学力を上げ強い国にという一方で、道徳心も高めたいという。しかし詰め込み教育で競争させ、人を蹴落としてでも金もうけする力を育めば道徳心は下がります。安倍首相の上半身は精神主義の保守思想だが、下半身は新自由主義。いったいどちらをやりたいのか」(同)

と寺脇氏は安倍氏の考え方を批判するが、残念ながら寺脇氏は教育現場のことが分かっていないように思う。

 「ゆとり教育」がもたらしたものは「ゆるみ教育」である。寺脇氏の理想とは程遠いものである。

 安倍氏が主張しているのは、教育の緩みを建て直すことであり、かつての詰め込み教育を復活させようということではないと思う。

 また、詰め込み教育と拝金主義を結びつけて批判しているところも「ためにする批判」のように思われる。





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Last updated  2013.02.25 02:52:36
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