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カテゴリ:投資の心得
将来の株価予測以外の理由で売買してしまう4つ目の例は、節税目的での売却です。
年末に節税目的で、利益を圧縮するために含み損のある銘柄を売却する人は多いと思います。 もしも今後の値上がりが期待できるのに、節税という理由だけで売却するのであれば、それは愚かな事です。売却するのは、値上がりが期待できない、あるいはもっと値上がりすると思う別の銘柄を見つけた時だけです。 なかなか損切りを決心できなかった銘柄を、この機会に売却する、というのは、心情的には理解できます。 しかしこの場合は、本来は節税とは関係なく、もっと早く売却すべきものです。 現在の税制では、株式の売却益に対して一定率の譲渡益税がかかりますが、以前は利益の額に関わらず、売却額の1.05% の税金を払えばよいという、源泉分離課税がありました。多額の利益が出ている場合には、旧方式の源泉分離課税にしたほうが、支払う税額は少なくなります。 2003年頃、旧源泉分離課税が廃止され、売却益に対して一定率をかける方式に一元化されることが決まっていました。 当時私の主力銘柄はヤフーで、まだ株価は上昇するとは思っていましたが、多額の含み益があったため、節税のため売却額による源泉分離課税が使えるうちに売却して、買い戻そうとしました。 結果的には、売却した株数のうち一部しか買い戻さないうちに株価は急騰してしまい、結局何もしないほうがよかったことがあります。当時ヤフーは私にとって本命銘柄であり、将来の株価上昇を確信していただけに、後悔もひとしおです。 例にあげた税制変更は過去の話ですが、今後も似たケースはあるでしょう。 再来年には、株式譲渡益課税の税率が、現行の10% から 20% に変更される予定です。10% のうちに益出しするか、当面一切税金を払わずに保有し続けるか、悩みどころですね。 税制のしくみを理解して、少しでも有利にしようということ自体は、合理的な行いです。 もしもポジションは変えたくないが、一時的に益出ししたい場合には、確実に意図したポジションに戻すように、決意しましょう。どうしても節税目的で売却する場合には、多少の買値の違いにはこだわらず、すぐに買い戻すべきかもしれません。 注.この考え方は、銘柄の位置づけによって変わるかもしれません。 上記は、自信を持っている銘柄の長期保有を前提とした場合の話です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.07.11 11:28:26
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