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カテゴリ:個別銘柄
REITの日本アコモデーションファンド投資法人(3226)が、公募増資をしました。
長らく低迷していた J-REIT ですが、公募増資ができるまでになってきたことは、意義深いことだと思います。 公募価格は 487,910円で、11月5日(木)から、公募増資分の売却が可能になります。一般的には売却可能日には、増資で入手した株の売却が集中するため、株価が下がることが多いのですが、今回はどうなりますかね。 公募増資に応じた人の心理を推測して、予想してみます。 公募増資に応じる人の目的には、3種類あると思います。 ・短期利鞘稼ぎ ・元々の所有者のヘッジ ・長期保有 1・短期利鞘稼ぎ 公募増資においては、公募価格決定日の市場価格より、3~5%程度割安な価格で入手できますので、利鞘を稼ごうとする人もいるかもしれません。 しかし実際に売却できるようになるまで1週間程度かかり、その間に株価が下落すると、売却チャンスを逸してしまうリスクもあります。 したがって数%のディスカウントだけを目的として、公募増資に応じることは、お勧めできません。 むしろ短期で利鞘稼ぎを狙うのであれば、急落後の反発を狙うケースでしょう。 増資発表後、公募価格決定日に向けて、株価が急落することがよくあります。 そして多くの場合、公募価格が決定された後には、急反発します。 この急反発(および3~5%程度のディスカウント)を狙って公募増資に応募することは、私自身よくやります。 このケースでは長期保有する意思はありませんので、早期に売却しようとするため、売却可能日に株価が下落することになります。 今回の日本アコモデーションファンドの場合には、あてはまらないと思います。 増資発表後、株価は一瞬下落しましたがすぐに反発し、それ以前の レンジ相場に戻りました。 487,910円の公募価格もそのレンジ相場の範囲内であり、あまり有利な価格とは感じられません。 したがって、反発狙いの短期利鞘稼ぎを目的として公募に応じた人は、あまりいないのではないかと推測します。 2.元々の所有者のヘッジ 元々保有していて手放す意思のない人にとっては、増資発表により株価が下落するのを回避するために、一旦売却してから増資のディスカウント価格で買い戻そうとする人もいるでしょう。 彼らは公募増資で入手した株を、売却可能日に売却することはありません。 また元々の所有者ではなく、空売りで利鞘稼ぎする人も同様です。 増資で入手した株で現渡しするので、売却可能日に売り圧力はかかりません。 3.長期保有 REITは本来利回り商品であり、長期保有する人が多いと思います。 彼らはすぐに売却することはありません。 増資による希薄化により、1株あたり利益(=REITの場合は配当と同義)が減少することがよくあります。しかし今回のアコモデーションファンドの場合には、今期分配金予想は前期実績よりも増加しています。 さらに次期以降は増資費用もなくなりますので、今回公募に申し込んだ人は、配当利回り低下を懸念していないでしょう。 ※心理を読んでいるだけであり、利回りを予測しているわけではありません。 以上をまとめると、今回の公募増資に応募した人はほとんどが3.長期保有で、一部が2のヘッジ目的であり、売却可能日に株価が下落する可能性は少ないのではないかと推測します。 <追記:結果> 売却可能日である11月5日は、始値489,000円/終値490,000円と、公募価格近辺まで急落しました。(前日4日の終値は、509,000円) 短期利鞘稼ぎとしては、うまみが少ないと判断していたのですが、売却した人達はどういうつもりで公募に申し込んだのかな? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.06 11:53:55
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