774737 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2007年06月21日
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
第90回 中国の通信セクター(その1)

今日のまとめ

1. 中国の携帯電話市場は既に世界一
2. 普及率ではまだまだ成長余地を残している
3. 需要のスウィート・スポットにまさしくさしかかっている
4. 中国市場のMOUは高い

■世界一の携帯電話市場

 携帯電話会社の株はエマージング諸国の株式に投資する際、格好の投資対象である場合が多いです。その理由は人々の可処分所得が増えたら最初に購入されるのが携帯電話だからです。中国の携帯電話利用者数は2007年4月の時点で既に4.7億人に達しています。これはもちろん世界一です。

世界の携帯電話利用者数

 しかし既に利用者数が世界一だから中国の携帯電話市場の成長局面は終わったと考えるのは早計です。実際、中国の携帯電話の普及率は2006年末の時点で36%に過ぎません。

エマージング各国の携帯電話普及率

■携帯電話市場の成長の段階

 一般に開発途上国では国民の殆どは所得が低すぎて携帯電話を持ち歩くことは出来ません。そういう国では外国から来ているビジネスマンや政府関係者などごく限られた人が携帯電話の主な利用者です。その場合、携帯電話の料金は会社の経費で落ちるなどの特典がある場合が多く利用者は電話料金には余り頓着しません。これらの国における携帯電話会社は 比較的シンプルなネットワークを構築し、庶民の所得水準からするととても手が出ないような高値に利用料金が設定されることが通例です。アフリカなどの国の携帯電話市場はこのグループに入ります。しかし国民の所得が向上し携帯電話の普及率が25%を超えてくるあたりから利用者の大半はごく普通の市民になります。すると電話料金やハンドセットの値段が少しでも下がると利用者の数はそれに敏感に反応して急伸するのです。別の言い方をすればサービスのコストを下げることによる需要喚起のセンシティビティー(感応度)が高まるという風に言えるでしょう。この局面では大きなネットワークを既に構築し、沢山の加入者を勧誘できる立場にあるリーダー企業が最も恩恵を蒙ります。中国の携帯電話市場は今、まさしくこのスウィート・スポットにさしかかっており利用者は順調に伸びています。ところが更に携帯電話が行き渡ると値引きによる需要喚起のセンシティビティーは再び低下します。例えばアメリカの場合、既に携帯電話の普及は飽和状態に達しており、値引きしても簡単に加入者を増やすことは出来ません。

センシティビティー


■中国の携帯電話市場の特色

 先ず中国の携帯電話市場のユニークな点として利用者一人当たりのMOU(Minutes of Use:利用時間)が極めて大きいという点です。中国人はお喋りが好きという風にも言えます。携帯電話が余り普及していない国では普通MOUが高いケースが多いのですが利用者の裾野が広がるにつれてMOUは下がるのが一般的です。しかし中国の場合、利用者数が増えてもMOUは高止まりしています。これは中国の携帯電話市場が携帯電話会社にとって魅力ある市場であることを意味します。なぜなら電話会社の売上の内訳を見るとエア・タイム(通話時間)の長さに連動する売上の部分(利用料金:下の図の水色部分)はとても大きいからです。

チャイナ・モバイルの売上構成比





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年06月22日 09時21分19秒


PR

ニューストピックス

バックナンバー

2024年05月
2024年04月
2024年03月
2024年02月
2024年01月

日記/記事の投稿


© Rakuten Group, Inc.