フジテレビの「優しい人なら解ける クイズやさしいね」で
大阪にある天然エビメーカー・パプアニューギニア海産のユニークな決め事について問題を出していた。
「蛭子（えびす）」さんがいきなり正解を出したあと、ヒントが出ても誰も正解にたどりつけなかった。
それほどユニークな服務制度をとっていたのである。
有機コラムの「パプアニューギニア海産さん訪問レポート」にその制度の概要が紹介されている。
企業と従業員の信頼関係が生み出した新しいワークスタイル
パプアさんのもう一つの話題として、今マスコミなどから注目されている新しいワークスタイル「フリースケジュール」があります。
「フリースケジュール」とは、パート従業員の勤務シフトを組まず、毎週自分が好きな日に出勤、休みたいときは休むことができる画期的な働き方です。
勤務時間帯は決まっていますが、出勤・欠勤などの連絡は必要なく、各人の働きたい意思で出勤します。
このような内容を聞けば「本当に業務が回るの？」などといろんな疑問が浮かびますが、実はこのスタイルを確立するため、工場長の武藤さんをはじめ、各スタッフが努力と試行錯誤を重ね、その結果生み出された新しい働き方なのです。
パプアさんは1991年（平成3年）に創業。
宮城県石巻市に本社がありましたが、2011年の東日本大震災で被災し、事務所・加工工場・冷凍倉庫など、すべて津波に流され、製品・原料もすべて失う壊滅的被害を受けました。
そして福島原発事故がおこり、大阪府茨木市へ避難・移住。地元のパート従業員と別れを告げ、社長である武藤さんのお父さん、そして武藤さんと若い男性社員の3名で再スタートとなりました。
なんとか工場を探し、最低限の機械をそろえ、出荷業務を行うのに半年以上かかったそうです。しかし当時の工場は人間関係や製造工程などが整わず、ひどい状況の中での再スタートでした。またその当時、武藤さんは会社再建のために営業活動に走り回り、若い男性社員の方に工場を任せていましたが、かなりの重圧だったのか、その方は退職してしまいました。武藤さんは自分たちのサポートがもっとしっかりしていればと本当に悔やんだそうです。
その方の退職に伴い、工場長を兼務することになった武藤さんですが、過去の工場の勤務状況を見直すと、人の入れ替わりが激しかったことに気づきました。
その原因は分かりませんでしたが、とにかく従業員が「辞めたくない」と思う会社にしたい、と改革を決意。
そして2013年7月からフリースケジュールを試験的に開始し、その1年後には完全導入。
「以前は辞める人が多かったが、今は求人しなくても勝手に人が集まり、夫の転勤などを除いては辞める人はいない」そうです。
フリースケジュールを可能にしているのが「信頼感」と「社内の和」です。
会社と従業員との信頼関係を築くため、ミーティングや面談を就業時間内に頻繁に行い、お互いの意見を交換しながら意思疎通を徹底。
工場長とパート従業員がとことん本音で話し合うことで信頼関係が生まれ、従業員一人一人の意識が高まりました。
また自分自身で考え、業務の効率化などを本音で語り合うことで品質の向上にも繋がったり、商品をよりよくする工夫などが話し合われ、その意見が商品に反映したりするなど、会社にも個人にも良い好循環を生み出しました。
小さなお子さんのいるママさんが働きやすい職場、また夢を追いかける人を応援する職場。なおかつ生産効率も上がる工場を目指しています。また会社に働かされるのでなく、自分の意志で仕事にいくことが大切だと武藤さんは語っていました。
安心安全な食べ物を出荷するだけでなく、働く人として理想的なワークスタイルを確立するパプアニューギニア海産さん。こんな人に優しい会社をこれからも存続させるためにも、会員の皆さんの協力が必要です。ぜひ「買って支えて頂きたい」と訴えたいと思います。
(ウイークリーおまけ冊子2015年1月第4週号掲載 文章：プロモーション部 葛上)
米地質調査所（ＵＳＧＳ）によると、パプアニューギニアのブーゲンビル島で２２日午後３時半（日本時間同１時半）ごろ、マグニチュード（Ｍ）７．９の強い地震が発生した。日本の気象庁によると、日本沿岸への津波の心配はない。
ＵＳＧＳは当初、Ｍ８．０と発表したが、間もなくＭ７．９に下方修正した。太平洋津波警報センターも一時、周辺諸国に津波警報を出したが、その後取り消した。（2017/01/22)
パプアの地震も気になるところである。
