|
カテゴリ:性・下ネタ
かなり奥の方に止血栓を入れていたらしく、最後まで整理だとは気づかなかった。
私が手指を差し入れても、とくにそれらしき徴は付かなかった。臭いもなかった。たしかに毎月軽いまま終わるタイプの人ではあった。もしかしたら、もともと女性ホルモンの分泌が少なかったのかも知れない。 ようやくそれに気づいたのは、行為の途中で彼女が「ちょっと待って」といったことを口にして寝台を出ると、「取ってくるから」といった意味のことを言ってトイレに立ってからであった。「取ってくる」と言ったのは、「奥の方」から「止血栓」を取ってくる、という意味であることを理解するのに0.5秒くらいを要した。 エントリーしたが特に違和感はなかった。 汚れることを心配したわけではないが、とくに激しく動かすこともせず、写生もせずに撤退した。彼女はまたすぐにトイレに立った。 私は彼女がトイレに入っている間に、部屋に差す真昼間の日の光でじっくりと自分の世紀を見た。たしかに色がついていた。 ウェットティッシュで拭いてみると、たしかに暗い血の色が付いた。 その晩、彼女は寝台の上で、私の髪に指を通しながら言った。 「私は子供の頃からあなたのようなまっすぐな髪に憧れていた」 彼女はフランス系にアイルランド系の混じった白人だったが、栗色の髪は癖毛であった。 私は彼女に言った。 「僕は僕で、きみのようなウェーブしている髪に憧れていた。みんな、自分が手に入らないものに憧れるものなのさ」 ウソだった。私は自分のまっすぐな髪を気に入っていて、癖毛に憧れたことなどなかった。 私はその人を愛していなかった。その人は生まれ育った国が異なっても容易に理解し合える貴重な友人だったが、何度成功しても、その人には決して愛を口にしたことはなかった。 彼女が帰った後、シーツに付いている1セント大の血痕に気づいた。 その血痕は、何度洗濯しても、いつまでも落ちることがなかった。 もう10年も前のことだ。 やっぱり、人生成功の秘訣は、生理整頓だなあ、というのが今日の日記の結論である。 以上です。pinkoyster さん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|