カテゴリ:本
巷説百物語の始まり
小股潜りの又市がなぜ御行姿になったのか? 西での失敗の後、江戸に出てきた又市は損料屋"ゑんま屋"と関りを持つ。 そして、数々の"損料仕事"をこなす為の図面を引くうちに― 御燈の小右衛門、おりんとの出会い、 帷子辻に出てくる西からの縁ある林蔵(と玉泉坊)との関り、 狐者異の祗右衛門との因縁の始まり、 そして、又市が御行の又市として裏の世界に身を沈める決意をするまでが描かれる。 これを読んだらもう一度シリーズを読み返さねば!と思わせるつくり。 青臭く、命をとらずに仕掛けをしたいと心痛める又市の姿がここ(「前巷説」)にはあり、 仕掛けに妖怪を用いることも渋っていた(馬鹿馬鹿しく思っていた)彼が、 これは丸く収める手段として使えると思う話でもある。 そして、そんな彼を読めば「巷説~」あたりでは必要最低限の死は仕方がないとするまでには葛藤があったことが判明し、奥の深さが増す。 さらに過去の林蔵と又市の(西での)失敗談…どこかで読んだ気がするのは気のせいか? 既刊の巷説の中で出てた?思い出せない… まだ描かれてなければその過去も読みたい。 初版のおまけ?に「巷説百物語シリーズ解説書」が付いていた(図書館で借りたにもかかわらず!) 人物紹介には巷説シリーズ+「嗤う伊右衛門」+「覘き小平次」もついているのだが、 欲を言えば時系列表にも「嗤う~」と「覘き~」を入れてほしかった。 だいたいでいえば時系列はこんな感じ? 「前巷説百物語」→「嗤~」→「覘き~」→「巷説」「続巷説」(だいたい一話ずつ交互。老人火除く)→「後巷説百物語」 …→京極堂シリーズ。これからもどうつなげていくか興味深い。 初めから繋がっていくとわかっていれば、「巷説」もじっくりまとめておいたのに! 読み直しがやっぱり必要ということか(涙) 本当に最近は様々な作品リンクをする作家が多くて、気を抜いて読めない~~~ ネタバレメモ→メモ1・メモ2 巷説シリーズ 続巷説百物語 後巷説百物語 巷説百物語☆メモ 覘き小平次 「巷説百物語」「嗤う伊右衛門」は(ブログに)感想が残ってなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 7, 2007 02:08:19 PM
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