テーマ:ミステリはお好き?(1430)
カテゴリ:本
「背の眼」 「骸の爪」のシリーズ短編集。
死んだ妻に会いたくて、霊視現象探求所を構える真備庄介。 助手で妻の妹・北見凛、ちょくちょく遊びに来る友人で小説家の道尾。 探求所を訪れるのは傷行いた心を持った人たち。 ~ネタバレメモ~ ・流れ星の作り方 旅先で飲み物を買いに出た凛は、ラジオを聞いている少年から 流れ星の作り方(明るい星を凝視し、頭を振る)と両親が殺害された友人の話を聞く。 友人がいた部屋の開いたドアの前を、犯人はどうやって通ったのだろうか? 道尾秀介が書いていると思えば、すぐ分かる。 両親を殺されたのは少年自身で、少年の目は見えないということが。 ・モルグ街の奇術 心霊主義と対立し、偽霊媒師達による詐欺行為を糾弾したフーディーニの曾孫を名乗るマジシャンの男が、 霊現象を公言する小説を書いた道尾に挑戦。真備が受ける。 男は道尾と真備の手首を賭け、自身の消えた手首のトリック解明を迫る。 あっさり解けたかと思えば、もしかして?という余韻を残している。 ・オディ&デコ 風邪を引いた真備の代わりに、拾ったが親に許されず、また捨てることになり、死んだ仔猫の霊が 取り憑いているという少女・莉子の話を聞く凛。 結局解決したのは真備。莉子に嫉妬した友人・真子が偶然写メに写った裏返った鬼の面(節分)を 仔猫だと偽っていた。仔猫は生きていた。 ・箱の中の隼 忙しい真備の代わりに、真備の振りして新興宗教団体の施設を見学することになった道尾。 怪しい動きをする人々に恐怖する道尾。 見学を誘った相談者・野枝ひかりは、教祖の父と対立し、病院を拒否する信者を助けたいと 以前、別の宗教団体をつぶしたことがあるという真備を利用し、脱出、解体を願っていた。 真備が道尾を迎えに来て、起こった事件をあっさり解説(ひかりの行動は、看護師としてのものだった)して終了。 ・花と氷 友人の結婚披露宴に出席した凛。 孫娘が、自分の発明する製作所で亡くなり、死を望んでいた老人・薪岡が、 孫娘の霊に殺して欲しいと真備の元を訪れる。 真備は探求所はそういう依頼を受けるところでは無いと説明して帰すが、 公園にいた子供達を製作所に誘い、彼らの手を使って死のうとした薪岡の計画に気付き阻止する。 「同じ年頃の女の子を見るのが辛い」という薪岡の言葉は、 姉の、妻の死がまだ重く心の奥底に氷のようにある凛と真備の感情を浮かび上がらせる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 5, 2009 10:57:40 PM
[本] カテゴリの最新記事
|
|