カテゴリ:SF
読みためてしまったので,たまにはストーリー説明でもしておこう.
「7SEEDS」田村由美 人類滅亡の危機を迎え,政府は幾名かの若者を7つのグループに分け,冷凍冬眠させる.やがて,彼らは目覚め,それぞれのグループが,自分たちが育った時代とはまったく違った地球環境の中でサバイバルする物語.設定は大掛かりだけれど,登場人物ひとりひとりがよく書き込まれており,人の生死もリアルな事件として挿入されているものの息苦しさを感じさせることもない.読むごとに,次回が気になる作品である 「風光る」渡辺多恵子 新撰組に男と偽って入隊したセイちゃんの物語.時代背景がよく描かれていて,歴史オンチのわたしにもよくわかる.セイちゃんと沖田の微妙な関係も読ませてくれます. 「町でうわさの天狗の子」岩本ナオ 天狗の父親をもつ,恋愛にあこがれているけれど,ちょっと恋愛に鈍感な女子高生が主人公.普通と違うコイバナ咲いてます. 「娚の一生」西炯子 電力関係の会社に勤める主人公.課長という役職でもあり,不倫に敗れて傷心のまま,祖母の家に住み在宅勤務をしている.ところが,離れに祖母を慕っていたという年上の大学教授(著名人)が居候.彼の強引さに惹かれはじめている主人公だが,不倫相手が妻と別れてきたというし,地熱発電所を地元に建設するという計画に反対するものから誘拐されるという.さて,この恋の行方は・・・ 「坂道のアポロン」小玉ユキ 転校を繰り返してきた主人公.友人を作らないつもりだったはずが,ジャズを通して友情を育んでいく.ひとつひとつのエピソードが繊細に描かれていて,時代設定が昭和中期ということもあって,なにか懐かしさを感じる.彼らはどんなふうに成長していくのだろう.この物語はどんな風に終わるのだろう.そんな期待をしてしまう.終わりを待っているというのも,変であるけれども. 「アイスフォレスト」さいとうちほ アイスダンスをとおして,成長していく主人公の物語.と,設定は簡単ではあるけれど,登場人物たちの動きがすごいと思う.元世界チャンピオンだったけれども,今は中年太りのアル中もどきのトラマノフさんが魅力的. 「暁のARIA」赤石路代 不義の子として生まれながらも,恵まれた境遇とその天真爛漫な性格で,自分の道をしっかりと歩んでいく歌姫物語.すれ違いの恋愛や,いぢわるな登場人物は,子供のころ読んだ少女漫画や,いまどきの韓国ドラマを思い出させる.王道をいくドラマとでもいえるだろうか. 以上が連載陣(抜けてないよね?) 萩尾望都さんとよしもとばななさんの対談もおもしろかった.モー様が,「バルバラ異界」で迷走していたわけがわかりました.「スフィンクス」オイディプスの物語は,「百億の夜~」を思い出した. 「トウカ草紙」大野潤子 あれ? いつ狐だと正体明かしたの?・・・『凛花』読んで納得. 読みながら,いろんな感想を思い浮かべるんだけれど,本を閉じて現実に戻った瞬間,忘れちゃうんだよね. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年11月11日 17時32分08秒
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