イスラム教のお祈り
イスラム教徒のことを「モスリム」(または「ムスリム」)と言います。モスリムには1日5回のお祈りが義務づけられています。「コーラン」(預言者マホメッドの言葉)では4回とされていますが、現実にはマホメッドの行った5回になっています。その時間は分単位で決められています。新聞にも毎日必ず載ります。だからアラブでは1日5回鳴るデジタル時計なんて売られています。しかし、普段はそんなものは不要。あのモスクの尖塔から声が流れるからです。「アッラーッ、イクバール(アラーは偉大なり)、アラーこそ唯一の神である」この頃はスピーカーが使われることが多いですが、田舎や、室内ではまだ肉声です。この「呼びかけ」係りはコンテストで美声のものが選ばれます。私もまねして見たら、筋がいいと誉められました。以前サウジの王子が宇宙飛行をした時に、どこの時間でお祈りをするか問題になったことがありましたね。たしかあの時はサウジ時間に合わせたと思いますが・・・・お祈りは聖地サウジ・メッカの方向、正確にはカーバ神殿(巡礼をするところ)に向かってします。だからモスクもそっちを向いています。従って道とは関係無い向きに建っています。中東ではちゃんとみんな判っているからいいんですが、日本に実習などに来られるとさあ大変、どじょうが出てきてこんにちは・・・・・じゅなかった、地図と磁石を持ってみんなでガヤガヤ、・・・・・・翌日間違いと判って不機嫌にさせたり・・・黙ってりゃわかんないのにね。モスクの入り口には必ず水があります。手や顔を洗い口をゆすぐためです。日本の神社にも手水場があって手を洗い、口をすすぎますね。あれと一緒です。でもあっちは顔まで洗うから一枚上手。お祈りには作法があって、手順が決まっています。書店では、この手順がイラストで書かれたポスターが売られています。子供はこれで勉強します。まじめに1通りやると7分位だったと思います。私も一通り教わりましたが、もうすっかり忘れてしまいました。手のひらを前に出してなにかを受けるしぐさをしたり、右を向いたり左を向いたり、立ったり座ったり、おじぎをしたりします。モスクは街中至るところにあります。日本でいえばそばや位の数でしょう。(バチあたりな比較!)ただし、砂漠に出るとモスクは無い。基本的には集団でお祈りすることになっていますがそうも行かないこともあります。そんな時はじゅうたんだけを敷きます。だから、みんな自分専用のものを車に積んでいます。何人もひれふしてお祈りをしている道を走っていていると大名になった様な気になります。「頭(ず)が高い!」なんちゃって・・・・困るのはそのタイミング、丁度話が佳境に入っている時に、「Sorry」とか「Just minutes」とか言われてお祈りに入られてしまうこと。こうなると、もう、お茶でも飲んで待っているしか無い。日本に呼ぶ時も、このお祈りの時間でスケジュールを組まないとならない。お祈りの時間が移動時間に重なると、新幹線の通路をふさいだり、トイレでお祈りしてもらわないとならない。(これは絶対やらないだろうね)次回は「その他のアラブの話」です。