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弁護士・伊藤和子のダイアリー

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2008.07.14
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本当にひさしぶりに本当にうれしい。

ニュースでも報道されているとおり、
布川事件で東京高裁が地裁の出した再審開始決定を支持する決定を出したのです。
私が担当している名張事件といつも並んで紹介される、戦後の未解決冤罪事件でした。
布川事件の被告、桜井さんと杉山さんは、無期懲役判決だったので、仮釈放されて、
外に出て裁判のやり直しを求める活動をされて、いつも死刑で外に出てこられない
奥西さん(冤罪名張事件の被告人・死刑囚)のためにもがんばる、と言ってくださり、
自分の事件だけでなく、現地調査などの活動にも熱心に参加してくださっていた。

名張事件と布川事件は、2005年に相次いで、再審開始決定をもらった。
数十年ぶりに事件に光があたったのだ。ところが、どちらも検事が不服申し立てをして
いた。名張事件は再審開始決定が取り消され、再審の扉はこれで閉じてしまったかのように
とても辛い時期が続いた。
でも、布川事件で再び再審の扉が本当にあいたのだ、ということが認められたのだ。

実は、名張で再審開始を覆した門野裁判長が、布川事件の担当裁判長にもなったので、
みんな大変心配していたが、しかし、再審開始が決定したのだ。

 今日は一報を聞いて、午前の裁判のあと、報告集会会場(弁護士会館)に駆け付けたところ、
被告の桜井さんがおられて、お祝いの言葉を言うことができた。
  「次は名張ですね」と桜井さんから励まされた。

  数日前、出張中の郵便物をみていたら、同じ時期に桜井さんと奥西さんからの
手紙をうけとっていた。奥西さんは一足早い暑中見舞い。桜井さんはもうすぐ決定です、
という手紙。でも、桜井さんはシャバからの手紙で、奥西さんは死刑棟からの手紙である。
  その二つの手紙を見比べて、なんというか、胸が痛くなってしまった。。

  一日も早く奥西さんの笑顔が見たい。再審の扉を奥西さんのためにもこじ開けたい。





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Last updated  2008.07.14 20:37:12


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