カテゴリ:刑事事件・裁判員制度について
裁判員制度についてさまざまな議論があるが 最近、NHKの「視点・論点」という番組で木谷明・元裁判官が 発言されている。 視点・論点 「裁判員制度を考える(2) 無辜(むこ)の不処罰」 木谷明 http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/10978.html#more その冒頭はこのようにしてはじまる。 私は,刑事裁判に国民の常識を反映させようとする制度の方向自体に反対しているわけではありません。しかし,裁判員制度は,刑事裁判で一番大切なことを忘れているように思われてならないのです。 言うまでもないことですが,刑事裁判で一番大切なことは,「無辜の不処罰」,つまり「無実の者を処罰しないこと」です。罪を犯してもいないのに刑務所に送られたり死刑にされたりすることは,考えただけでも恐ろしいことです。ですから,仮に刑事裁判について新しい制度を作るのであれば,冤罪者,つまり無実でありながら有罪とされる人を減らすということを第1に考えるべきでしょう。そうでなければ,現在の厳しい国家財政の中から莫大な国費を投じて,また忙しい国民を巻き込んでまで裁判員制度を始める意味は,あらかた失われてしまうと思うのです。 そして、冤罪をうまない仕組みとして取調べの全面可視化、証拠の全面開示などを 求めておられる。 私は木谷元判事におあいしたことがないが、判決やご発言を読んで一方的に 尊敬していて、木谷判事の判決を勉強する私的勉強会にも参加しているのだが、 あらためて、判事が「無辜の不処罰」という観点からはっきりと発言されたことに さすが、との思いを強くした。私もまったく同感である。 裁判員制度について、これほど、明快で全面的に賛成できる意見を聞いたのは たいへん久し振りだと思う。 最近、正面からこういうことをいう人が日本を見渡しても少ないように思うので とても残念なのだが、刑事裁判で一番大事なことは無辜の不処罰だ、ということが 裁判員制度導入で忘れられては絶対にいけないと思う。 特に弁護士がしっかり発言していかないといけない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.08.27 01:49:11
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