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本と映画と食事とあひる

2011.10.10
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カテゴリ:映画、ドラマ


今日の朝食;大根のぬか漬け、豆腐と大根葉の味噌汁、玄米粥。

 連休中はいかがお過ごしでしたか?

こちらは夫が仕事で忙しく、外出もままならなかったためDVDを観て過ごしました。


 最近、WOWOWのドラマがレベル高いですね。

『パンドラ』もなかなか面白かったですが、これも良かったです。

高村薫の直木賞受賞作『マークスの山』。

10年以上前に一度、映画化されているんですがDVD化はされていないんですよね。

主人公の合田雄一郎は中井貴一、水沢は萩原聖人、高木真知子は名取裕子でした。

劇場に観にいったのですが、出来は、、、、。俳優がいいのに残念といった感じ。

 今回はテレビドラマですが主演が上川隆也、水沢役は高良健吾という豪華なキャスト。

しかしまあ、映像化されるとき合田というのは
スーツにズックを履いていれば良し
それを家に帰って洗っていれば更に良し
といった雰囲気ですね。

 今までに演じた役者は私が知る限り(これがまた当てにならないですが)3人はいますがどの人も原作に忠実とは行きません。

今回の上川隆也もいい俳優ですが、長身でも細面でもないですね。
「剛直」という雰囲気は出ていましたが。

 有名な作品なのであらすじは省略しますが、このドラマ、とにかく緊張感があっていいです。

 出演者も演技派揃い。特に水沢裕之を演じた高良健吾、すごく良かったです。

キャスティングは原作に忠実にしようと考えてもいない(笑)と思えます。

だって、森の役が袴田吉彦ですよ。
(原作では顔によくジンマシンの出る「ぺんぺん草」)
有沢の役もぱっとしなかったですし。
(原作では捜査一課一の二枚目)

あくまでも警察内部の空気を出せる、演技の上手い俳優で固めようと意識している感じです。
 
 映像化作品によくあることですが男性の役を女性が演じたり、(雑誌記者の根来)本来出てこないはずの女性(合田の別れた妻 貴代子)が出てきたりというのはこのドラマでもありますが、邪魔になっていません。

原作の時代設定を変更し、現代に移しているため細かい設定がすごく変わっていますが、あの緊迫感、ぴりぴりした警察内部の空気、外部からの圧力、冬の山岳地帯の肌を刺す雰囲気がよく出ています。

 犯人を知っていても面白くて、借りてきたその日に全部観てしまいました。大笑い

私はゆっくり楽しむ、、、という大人の余裕がいくつになっても身に付きません。。。

 見終わった後、気になって又原作を読み返したのですが、

(単行本の方です。この作品は単行本と文庫本でかなり差異があります)

「え、こんなに変えていたの???」びっくり

と驚くくらい違うんですよね。

 でも、観た後は「高村薫の世界」になっているところがすごいです。

印象的な台詞、原作の肝となる部分をしっかりと押さえているからでしょうか。


以下、軽くネタバレをしますので、未読の方やドラマを観る予定の方はご注意を。




********


 原作ではそもそもの発端となった事件の規模に比べて被害が大きすぎるんですよね。

そこが、納得いかないという人も多いかと思います。

(元になった「事件」は単なる死体遺棄。

被害者の野村久志は左翼系同人誌を出していて

大学の理事長子息であった木原に密告され退学。

ですが、松井・浅野・林原・木原・佐伯が手を下したわけでなく

高山病?で死亡。慌てたお坊ちゃま連中が死体を埋めた、という顛末。

これをネタに水沢が恐喝するのですが

水沢に殺害された人物 5名

自殺者 2名

重傷を負った者 2名です。(原作単行本))

しかも、原作の冒頭に出てくる岩田幸平による

登山者殺害事件と

水沢一家無理心中事件の間には場所以外、接点がありません。

関係が出てくるのは水沢が浅野宅に押し入って

遺書を入手した後。岩田幸平が白骨遺体に関しては冤罪であると

知ってからです。

この辺り、ミステリー好きには???ですし、

混乱を招きますよね。

折原一や島田荘司の愛読者からすると

「この二つの事件、直接関係ないんかい!!」と

怒鳴りたくなること必定。

(死体遺棄事件と登山者殺害事件とは関連があります。

死体遺棄現場の目撃者が慌てて下山した先に

精神○○者が住んでいたという悪い偶然が重なってしまったんです。

とにかく、この作品はミステリーと言うより

警察小説・山岳小説として読む方が正しいですから。)

ドラマ版は、その点は充分に理解できるようになっています。

 又、時代変更があったため原作の持つ独特の雰囲気(学生運動を振り返る)も一部割愛されていますが、その分 警察内部や検察の鬱憤を描いて重さを出しています。

 原作は偶然が多すぎるといわれることがありますが、その点もカバーしてありますね。

原作ファンには悪いですが、ドラマの方が整合性がとれていてコンパクト。

原作は昭和51年から平成一桁にまたがり、

いくつもの事件が絡み合って複雑。

ドラマは時間を短縮し、枝葉末節を省き、

原作にある思想的偏向(笑)を薄めてあります。

今現在、不倫して離婚して公安とFBIからマークされている人間(貴代子)を

自由と高潔、知性の象徴なんてあまり思いませんからね。

 高村薫が観たら納得しないかもしれませんが、一般的にはより分かりやすく感情移入しやすい作品になっていると思います。



 今のWOWOW、ドラマ制作部門はすごいですね。。。


私は評判のいい『パンドラ2』(ローマ数字を入れようとしたらエラーになりました)、『幻夜』は絶対に
そこそこ評価されている『理由』、『マークスの山』と同じ脚本家による『空飛ぶタイヤ』は観ようかな?と思っています。


 近所のレンタルショップが割り引きクーポンを出してくれたので、出来たら期限内に、、、と思っています。


(昨日お店へいってみたら貸し出し中でした。。。。号泣


 ところで、このドラマに
テレビドラマ版と映画版で『ネコナデ』鬼の人事部長 鬼塚汰朗を演じた二人が出演していました。

 二人が同じ画面に映ることはありませんでしたが。

大杉さんと小木さん。やっぱり二人とも刑事役の方が似合うな、、、と思ってしまいました。


追記;『マークスの山』映画版がYOUTUBEにあるようですが、、、

コメント欄を読む限り、地上波放送をアップしたものでしょう。

私が劇場で観たものは目を背けたくなるような残虐シーンや

○○シーンが目白押し。

それが全てカットされているようですね。

もともと出来がいまいちな作品なのに

誰が観ても、、、、な動画みたいです。





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最終更新日  2018.11.07 09:00:48
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