上五島町奈摩湾口の東岸には、「赤ダキ断崖」と呼ばれる火山跡を見ることが出来ます。
ホマーテ(臼状火山)と言う形式の火山で、火口が大きく、その周辺に砕屑物が堆積すると言われ、東京周辺では伊豆半島の伊豆高原にある大室山が有名で、お椀をかぶせた様な形で知られていますが、火口は埋まってしまって見ることが出来ません。
「赤ダキ断崖」は、火口内部を見ることが出来、学術的にも貴重なものと言われています。
その断崖は上下二段の層に分かれ、下層部は黄色の火山礫(れき)凝灰岩、上層部は火山弾を含む赤色の玄武岩滓(さい)層となっています。
火口は現在の奈摩湾中央で、直径約1.0kmの円径の基底面をもっていたものと推定されているとのことです。
噴火時期は定かでありませんが、既に死火山であり、五島列島は日本で一番地盤が安定し地震が無い地域となっていますので、先史の時代だと思われます。
その奥に見えますのが、五島列島の最高峰、北魚目番岳443mで山頂も見え、山の緑、海の青、断崖の赤・黄のコントラストが際だって美しい景観を醸し出しています。
下五島福江島の五島市には、やはり臼状火山の鬼岳があり、頂上には展望台も設けられていますが、伊豆の大室山と同じ様に火口を窺い知ることは出来ません。
奈摩湾口の西岸には、矢堅目の奇岩が対照的に見えますが、その日記はこちらです!